院長コラム

sp_btn01.png
メールでのお問い合わせ

2018.08.20更新

20数年歯科医師をしていて、沢山の患者さんのお口の中をを拝見させて頂いてきましたが、特にかぶせ物の噛み合わせの面(咬合面と言います)に関しては、特に健康保険の銀歯において、その多くが平らでのっぺりとしていて、反対側の噛み合う相手方の歯(対合歯と言います)とちゃんと噛んでいないか、逆にべったりと面で噛み過ぎているかのどちかのケースが多いことに気が付きました。

 

実は歯の形は個人個人によって微妙に違っており、その凹凸には大きな意味が隠されているのです。

 

その形と位置は顎の成長とリンクしながら出来上がっていきます。その凹凸の表面のことを私達は咬合面と呼びます。

 

私達は食事する時の咀嚼効率を高めるためには歯に付与するその咬合面の彫り込みの角度を出来るだけ急傾斜にした方が良いのですが、その角度をあまり急にし過ぎると、今度は歯を横に動かした時に干渉を起こし易くなってしまうので、顎に大きな負担がかかり易くなってしまうという弊害が起きてしまいます

 

逆に咬合面に付ける凹凸の角度を緩やかにすると歯を動かした時に干渉はし難くなるのですが、歯そのものに対しては物を噛み込むたびに負担過重になって長期的には歯槽膿漏になってしまうのと、顎の位置が不明瞭になり、それを支える顎関節の靭帯が緩んでくるといった危険があります

 

そのために広範囲に渡り歯を失ってしまった場合それを再現するためには単純に勘だけに頼って作られたかぶせ物が今一ついつまでもしっくりこないといったことが起きてしまいます。

 

しっかりとした手順で作られた歯の咬合面はあらかじめその方個人の顎の動く角度を考慮に入れて【下の写真】のように注意深くワックスといったロウを用いて作られいくのですが、それにはとてつもない手間隙がかけられて作られる事実があまり知られていないのが現状のようです。実は自費治療にかかるコストの大部分はこの手間の部分なのです。

 

咬合面1 咬合面2 咬合面3

 

 

 

 

自費治療で機能を重視して作られる歯がどうして高くなってしまうかには、こうした背景が大きいのですが、一般的には材質の性状(ゴールドなのか、セラミックなのか、プラスティックなのかといったものの違い)で比較がされているのが現状なので残念です。

 

近年ではセラミックのかぶせ物でも医院によってはかなり安い物も出て来ており、そのようなかぶせ物もたくさん拝見してきましたが、個人的には機械が自動的に削り出しているか、このような手間がかかっていない、つまり咬合面は健康保険のかぶせ物のレベルのことが多いと思います。その日のうちに入るセラミックは確かに多忙な患者さんにとっては安いし有りがたい限りですが、長い目で考えるとかなり危険と言えるでしょう。

 

【下の写真】のように手間暇かけて作られたセラミックは長期にわたり快適に過ごすことが出来るのです。

 

セラミック

 

保険治療では、かぶせ物を沢山しかも早く作らなければならず、歯科技工士さんが歯科医師から「調整に時間がかかって非効率的だ!」と怒られないようにかぶせ物を無難に咬合面形態をあまくメリハリのない形態で作っている現状は非常に危険であります。長期的にはこの事が原因で引き起こされている歯槽膿漏や顎の違和感、最悪の場合顎関節症がかなりあるものと個人的には危惧しております。ですから是非とも値段だけで判断しないように頂きたいと願います。

投稿者: アクアデンタルクリニック