院長コラム

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2017.11.28更新

 

奥歯に「しみる!腫れる!!詰め物やかぶせ物がしょっちゅう取れる!!!」など何らかのトラブルを抱える方が非常に多くなっています。shun

 

そんな時にただそこだけ「しみ止めを塗ったり、膿を出したり、詰め物やかぶせ物をやりかえたり」で終わりにされていませんか

 

実は!!down arrowdown arrowdown arrowdown arrow

 

そのような方の多くは顎を横に動かした時に犬歯(糸切り歯、前から3番目の歯)のしっかりとしたガイドがないために奥歯のかみ合わせ時のタイミングに無理がかかり、奥歯へのトラブルの原因となっていることがよくあります。tears

 

「犬歯はすべての歯の中で根の長さが一番長く横からの力に十分耐えられるように解剖学的にも成り立っている歯です。ですので、奥歯を守る上でも犬歯の役割は非常に大きいのです。」

 

right arrowご自身の上下の歯を合わせた状態でゆっくり左右横に動かしてみてください。もし犬歯があたっていないで奥歯の方から先にあたってしまう状態であったりすると、一番最初に書いたような何らかのトラブルの兆候が出てくることが多いのです。un

とくに、虫歯でないのに奥歯がしみてきていたり歯と歯茎の間の楔状の切れ込みが生じてきたり顎がしっくり来なかったりとその現象はさまざまです。

 

最近では歯並びがもともと悪く、犬歯の位置が初めから上のほうにあって、まったく機能していない方も多く見られます。こんな方はとくに年をとってからは要注意ganです。奥歯に対しての力のコントロールができていないために長期的にやられやすくなってくるからです。

 

ちなみに「八重歯ちゃんで可愛いheart」などと思うのは日本人だけで海外では「ドラキュラの歯bibibi」と言われているくらいです!!見た目だけならまだしもこのようなトラブルを引き起こすのだから余計に考え物ですねnamida

 八重歯

 

多少であれば不足分をもり足して治せますが、実際に歯をしっかりした位置まで持ってこないと無理な場合も多く、やはり矯正治療の必要性が出てきます。

ただし、犬歯のガイドがただあれば良いのではなく、その人の顎の関節の解剖学的な形態に非常にリンクして出来上がっていることが多くの研究データからわかってきています。

  

ですから、大掛かりなかぶせ物や義歯、ブリッジなどをする場合には必ずといってよいほど、その方の顎の動きから得られるデータが必要となってきます。そのようなデータなしで作られてくる物は、たとえ見た目が綺麗に仕上がっていたとしても長期的に安全に機能していかないわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2017.11.10更新

第3回

  

前回まで2回にわたってお話した、こういったかぶせ物を作り上げるのには、どうしてもその人それぞれの顎の動きを採得したデータや、上下顎の顎の骨格形態や顎関節のレントゲン写真、顎の周りの筋肉の状態の検査、そして現状に至るまでの既往歴等が必要になってくるのですglitter

  

歯科医はこれらのデータをもとに、全身的なバランスを崩さない調和の取れた噛み合わせの位置を仮の歯で調整していき、最終段階において機能的でしっかりとした素材のかぶせ物や義歯を歯科技工士に依頼して作ってもらいます。

 

ここで、最終的なかぶせ物や義歯を仕上げるにあたって、以上の歯科医師側の調整したデータを再現することができる腕の良い優秀な歯科技工士がどうしても必要になってくるのは当然といえるのが分かっていただけると思います。日本の中小企業の中には世界のトップメーカーの心臓部とも言えるパーツをそこでしか作れないというレベルで立派に作り上げている所がたくさんあります。同じように歯科技工の世界でもそれぞれの歯科技工所の技術レベルには天と地ほどの差があるのが残念ながら現状です。そうなると、歯科医側の細かいデータを形として再現しなければならない技工士の仕事もかなりシビアと言えましょう。こういったコンセプトのある一流の仕事内容に関しては、ゴールドやセラミックを使う使わないということは別に考えても健康保険で大量に作り上げられてくるかぶせ物や入れ歯とは全く比較にならないのは当然と言えるでしょう。

  

顎はダイナミック(特に無意識下)に動き、その動きの邪魔にならない上下の噛み合わせの形態は慎重に作らないと、取り返しのつかない『抜歯』という最悪のシナリオを提供してしまうことになりかねません。健康保険の大量生産方式で作られるかぶせ物や、自費治療で素材が良くてもその人にあったデータを元に慎重に作られていないかぶせ物が何故危険なのかお分かりいただけるでしょうかnico

 

 〈個人個人のデータをもとにして作られた機能的咬合面の例〉  

上顎   かぶせ物        下顎かぶせ物2

審美面も考慮し、上顎と下顎の臼歯もセラミックによる咬合面にしました。当然、機能面も十分に満たされています。機能と審美の両面から精密に作り上げることも大切です

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2017.11.07更新

 


 


第2回

② 一部の歯だけがよく痛んだり、腫れたり、グラグラしている…

 右下のかぶせ物(ブリッジ)の歯ぐきがよく腫れて、グラグラしているとのことで来院された患者さんのレントゲン写真ですが、歯を支えている周りの骨が溶けてなくなってきているのがよく分かります。

    抜歯  抜歯2 抜歯3       

 動揺が激しく保存不可能なため抜歯となりました

歯の周りには大量の歯石がこびりついていました。向かい合っているかぶせ物との精密な噛み合わせが調整されておらず、また全体的な噛み合わせの調和がとれていないために歯根と骨との間に絶えず加わり続けた横揺らしの力(ジグリングフォース)で歯根の周りの組織にゆるみや断裂が生じた結果、プラーク中の細菌の進入を許してしまい、歯石となり、骨の吸収が起きてきたためであります。

このように特定の歯のみ歯槽膿漏になって腫れたりぐらついてきた場合、これまでいろいろな歯科医療機関においては単に「あなたの歯の磨き方が悪かったからです」とか「かぶせ物が歯にきちんと合っていなかったからです」と言われて終わりにされてきたようですが、ここでよく考えてみてください。全体的に歯槽膿漏が進んでいて、特にそこの部分だけ更に悪いと言われるのならまだ分かるのですが、なぜ他の部分は何ともないのに、そこの特定部分だけ悪くなるのでしょうか?そこの部分だけ磨いてなかったからでしょうか?1日3回きちんと歯科医院で教わった方法で磨いていてもなぜか特定の場所だけどんどん歯槽膿漏が進んでいく経験があると思います。それは診察する側つまり医療機関である我々の側で別の大きな原因、つまり『咬合の不調和』を見落としているからなのです!!

健康保険で入れたかぶせ物なら話は別としても、自費診療で良い素材を使って高いお金をかけたとしても、形態的に不調和なかぶせ物をよく見かけます。

 つまり、素材は良いものであればそれにこしたことはないのですが、問題はその人個人個人の顎の動きに合った、長期的に調和して機能していける形態のかぶせ物であるか否かということなのです

では具体的にこういったかぶせ物はどのように作っていくのでしょうか?次回からh具体的にお話ししていきますdog

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2017.11.01更新

これから数回に渡ってお話させて頂きます。本日はまずは、臨床上我々がよく遭遇する実例からお話させて頂きます。

① 前歯が最近 出っ歯になってきた、開いてきた、ずれてきた感じがする

 出っ歯

 このような症状は30歳以降から訴えてこられる方が多くなります。歯の並んでいる全体的な歯列には生来緩やかなカーブがついているのですが、このカーブのために、それぞれの歯には手前に倒れこんでくる力が噛むたびに加わっていきます。(この力のことをアンテリアコンポーネントフォースと呼んでいます)そのために、どのような人でも歳をとるにつれて、歯の自然の咬耗により手前への歯の倒れこみ現象が多少なりとも起こるのは生理的な現象と言えるのですが、全体のバランスがしっかりと取れていればほとんど問題にはならないのですが、それがあまりにも急速に進んできた場合に大きな問題となります。

 その原因としては、

 1.調和のとれていなければならない歯の噛み合せの面がしっかりと作られてなかったり、前歯   の角度がその人の顎の動きの角度に調和していなかった場合。
 2.噛み合わせの高さの不足や、低すぎるかぶせ物や入れ歯が奥歯に入っている場合。

 3.口腔周囲筋のアンバランスと突出舌癖(舌を歯の後ろ側に強く押し付けるような癖のこと)や、鼻の疾患に伴う慢性的な口呼吸がある場合。

 4.夜間の不適切なブラキシズムやくいしばりなどがある場合。 前回のブログ参照

 5.1~4に加えて、口腔清掃不良による慢性的な歯周病がある場合。

など、複合的な要因がからむことで症状が表面化してきます。

このような場合には、放置しておくと間違いなく前歯がぐらつき始め、近い将来にはその部位から抜歯となることが多いようです。

特に、過去にかぶせ物や入れ歯の治療が一貫性をもってされてきていない場合によく見られます。咬合面を健康保険で作られる歯のように大量生産的に、はしょって作られてしまってる場合だけでなく、残念ながら自費治療でも多く見られるのが現状です 当時治療をうけられた時には違和感がなく、たいていは何年も時間がたってから前歯が開いてくるといった現象として現れるので、その時の歯科治療が原因だったとは夢にも思われない方が多いようです。

 国が大量生産で作られた健康保険の歯の形態でよしと判断している限り、こうした現状が大がかりに健康保険の歯を入れてこられた方の行く末の状態として待ち受けていることになるのかと思うと悲しい限りです。

 その方個人に合った咬合(噛み合わせ)を全体の調和の取れた状態で与えるということは、装着する歯の形態を技工士が時間をかけて注意深く作り上げることと、装着時に我々歯科医師が時間をかけて注意深く調整して、更にその後少し使っていただいてからもう一度確認の調整をしてはじめて完成されるものなのです

健康保険まかせの治療ではご自身の歯の長期的な安全は保証されないのだという事実を再認識することがそろそろ必要になってきたようです。

 

治療法は?

 さて、このようなことから出っ歯になってしまった状態を治す方法ははっきり言って健康保険適用ではありません。

まず現状の顎位(噛み合わせ)の検査から始まります。各種レントゲン及び口腔内・外写真、問診詳細表、体表診査、模型診査を行います。歯の元々の位置が悪い場合には、矯正治療をまずしていただき、歯を所定の位置にもっていきます。その後に既存のかぶせ物を全て撤去して仮の歯を装着して顎位を正常な状態まで調整していきます。歯並びと噛み合わせが安定したところで、その人それぞれの顎の動きに合わせてしっかりとしていて、夜中の歯軋りに耐えられるような咬合面形態が刻み込まれている最終的な歯を仮の歯にかわって置き換えていきます。

 今まで歯軋りというと、それを止めさせるためのいろいろな治療法が試されてきましたが、どれも有効な方法がありませんでした。ところが東京大学大脳生理研究学教室をはじめ様々な機関の最近の研究ではむしろ歯軋りは無意識下でのストレス発散の一つの行為であり、これは止めさせるのではなく、むしろ現代社会においてストレスを全く無くすことは不可能ですので、逆にそういった過酷な状況に耐えられる口腔内の状態を構築されることが必要であることが証明されてきています。 ☛前回のブログ参照       

投稿者: アクアデンタルクリニック