院長コラム

sp_btn01.png
メールでのお問い合わせ

2018.12.19更新

今回の院長コラムは、実は皆さんから断トツにリクエストが多い「歯ブラシ」について書いてみます。tooth

 

「歯ブラシの話なんていまさら」「かかりつけの歯医者さんで十分に教わっているよ」という声もあるでしょうが、皆さん知っているようで意外と知らない「歯ブラシ」の極意について書きますのでしばしお付き合い下さい。toothtooth

 

 

「上手に磨けていませんね shun

 

皆さん、歯医者さんで先生や歯科衛生士さんからこんな一言を言われた事があるのではないでしょうか?un

 

「1日3回ちゃんと磨いているんだけど…」「デンタルフロスと歯間ブラシも欠かさず併用しているのに…」「高い電動歯ブラシを使っているのですが…」とか、皆さんそれなりに磨いているという自負があるにもかかわらず、

 

「上手に磨けていませんね shun

 

と、自分の努力が否定されたような一言を言われると、「じゃあ、一体どうすればいいんだよ??」という気持ちになるのも当然だと思います。

 

そこで…

 

以下のことを知って頂くだけで、あなたの歯磨きは確実に上達します!! gya

 

口腔ケアが非常に重要で、その良し悪しが老後のQOL(クオリティ オブ ライフ)に大きく係わってくるということは、多数のメディアが色々な研究データの紹介を基に報じているお蔭でようやく広まってきました。

 

それを受けて、歯ブラシメーカーからも色々な歯ブラシが研究開発され、形態や大きさなど色々工夫されたものが登場してきました。テレビのCMでも毎日のように歯ブラシの新製品を目にすることでしょう。薬局に行かれると多種多様な歯ブラシが置いてありどれを選んで良いか迷ってしまうほどです。

 

それでは一体どの歯ブラシを使えば良いというのでしょうか??? 

 

 

当医院ではスイス製のクラプロックス(CURAPROX)という歯ブラシを大推薦しています!!

 

クラプロックス

 

 

歯ブラシは昔から色々なタイプのものが発売されてきており、それなりに磨きやすく出来るようにしてくれるタイプの歯ブラシが数多く出されてきました。しかしそれにもかかわらず、

 

肝心のプラークと呼ばれる歯と歯茎の境い目にある細菌の塊を完全に取れている方が我々の診療室においても本当に少ない

 

のです。結果「上手に磨けていませんね shun」となって指摘されてしまうのです。

 

では、何故皆さんが毎日一生懸命に歯を磨いているにもかかわらず歯周病が慢性化していくのか?、そして、何故日本の国民が海外からのインバウンドの方々から頂いている評価の中でおもてなし感が高くて高評価な面がある反面、残念だと思っている点に「日本人には口臭のある方が多い」ということを取り上げられてしまっているのでしょうか?

 

そもそも歯磨きとは本当はどこを磨けばよいのか?を考える必要があります。

 

プラーク

 

 (図1) 歯頚部(歯と歯茎のキワ)に沿って白いプラークが帯状に付着している状態

 

 

(図1)の写真は奥歯の外側から見た写真で、歯頚部と呼ばれるところに注目して頂きたいのですが、白っぽく帯状にプラークと呼ばれる細菌の塊がゴッソリと付いているのが見えます。この方も実は「歯磨きはしています」しかも「電動歯ブラシも使っています」という方でした。そもそも歯磨きではここの残ってしまっている部分こそ取らなくてはいけないはずなのですが、それが実際は全く取れていなかったのです。

 

奥歯の内側や、下の前歯の裏側などにはこの状態のように慢性化している方がとても多くみられます。

 

 

プラーク2

 (図2) 一番汚れの溜まりやすい歯頚部

 

 

歯頚部と呼ばれる歯と歯茎の境い目の部分が一番汚れの溜まりやすい部分で、実はここの全周部分をいかに綺麗にしておけるかという事こそプラークコントロールの神髄なのです。「歯周病」と呼ばれる病気にならないためには、そもそも(図2)のように歯の周りに取り巻くプラーク(赤い点で描いてあります)をいかに毎日取り除いておけるかということに尽きます。

 

これに対して、一般の方は歯磨きをする際に、歯ブラシが(図3)のような当て方になっている方がほとんどのようです。

 

 

プラーク3

 (図3) 歯ブラシの毛先が歯のみにあたっている状態。

 

 

歯ブラシの毛先が歯茎のキワには当たっておらず歯のみに当たっているため、キワのプラークは依然として残ったままの状態です。ならば理論的には(図4)のようにブラシを当てればプラークの取り残しは生じないはずなのはご理解頂けるでしょうか。

 

 

プラーク4

 (図4) 理想的な当て方

 

 

分かり易くするために、一番下の方の歯ブラシの毛を赤くしてありますが、その部分が歯ブラシの一番端っこの毛先だけが歯肉溝に入り込んでいる状態で、しかも歯肉には当たっていない、歯茎のギリギリの所までだけにきっちりとブラシの毛を当てられているか、がポイントとなります。そしてこれが出来ている方が上手な歯磨きが出来ている方ということになります。

 

ただ(図4)の方法は技術的にとても難しいのです。何故かと言うと、通常の歯ブラシの毛先はある程度硬いうえに、植毛の数が少ないために歯茎に少しでも当たってしまうと痛いためについついそこから少し離したところで歯ブラシを当ててしまい、結果的にキワのプラークは残ったまま、という先にあげたような状態(図3)になります。無理して歯茎に毛先か乗っかった状態でゴシゴシとやられてしまいますと、今度は逆に歯茎が痛んで、擦過傷や歯肉退縮で知覚過敏を引き起こしてしまうという危険性もあるのです。(オーバーブラッシングと呼ばれています)

 

実は硬めの毛先の歯ブラシでピンポイントに上の(図4)のように磨ける方は、それをしっかりと理解されて実際にその様な部分にブラシの毛先を当ててコントロール出来ている方のみ有効で、ほとんどの方は今お使いの歯ブラシでそれをやろうとするのがなかなか難しいということになります。

 

この歯ブラシ技術は本当に難しいものですが、逆にこれが上手に出来る方であるならば、実はどんな歯ブラシをお使いになっても口腔ケアはしっかりと出来るというのが事実のようです。電動歯ブラシをお使いの方も、そのヘッドの毛先は同じように歯と歯茎のキワに当てられていなくては効果も半減ということになります。

 

ところが高価な電動歯ブラシを使っていれば大丈夫!と勘違いしておられる方が実は非常に多いのですehe

 

それではそんな歯茎のキワとかいった面倒なことなど考えなくてもいい、歯と歯茎両方に適当に当ててただゴシゴシとするだけ(図5)でしっかりとキワも自動的に磨ける歯ブラシがあればベストだろうな、ということになりませんか?

 

 

プラーク5

(図5) 歯と歯茎両方に適当にあてる歯磨き

 

 

この当て方で安全に出来る歯ブラシが登場したのです!

 

スイスのクラプロックス(CURAPROX)という歯ブラシです。

 

クラプロックスの歯ブラシは高密度植毛で極細であるファイバーで構成されているために、歯と歯茎の両方に毛先が当たっても全く痛みが無く、しかも効率よくキワのプラークが自動的に絡め取られます。

 

ヨーロッパの最新の考え方に基づき設計され、コンパクトヘッドにソフトな植毛をされており、通常の歯ブラシの毛の数は多くても800本くらいなのに対して、なんとこの歯ブラシは7倍もの5460本もの高密度設計となっています

当医院では最上位の7600本というタイプのものを採用・大推薦しています。

 


かなりしなやかで極細の特殊な毛先が高密度に植毛されているために手で触るとビロードのような感触で、歯茎に当たっても全然痛くなく、しかもマッサージ効果が適度に得られる硬さになっています。これにより歯と歯茎のマッサージが両方可能となり、歯磨きの際の歯ブラシの当て方を難しく考えないで、どなたでも上手にプラークコントロールが出来るものとなりました。

 

プラークコントロールの神髄は歯磨きというより、歯茎磨きという言い方の方が合っており、その歯茎磨きを体現できる歯ブラシなのです。

 

当医院では今までは基本的には「どんな歯ブラシを使えばいいのですか?」というご質問をされる方に対して特定のメーカーのこの歯ブラシが良いと言った指定はしていませんでしたが、現状お使いの歯ブラシでご自分がシッカリと磨いているつもりであるにもかかわらず「磨けていませんね…」と言われてしまう方に対してはクラプロックスの歯ブラシをまずおススメしております。

どなたが磨いても、とりあえずそこそこの合格点がつけられるプラーク除去がすぐにでも可能となるからです。アマゾン、東急ハンズでもクラプロックスまたはキュラプロックスとして入手可能なようですし、当医院でも販売しております。

 

そして購入した方の8割~9割が必ずリピーターとなってくれています!!

 

歯磨きとはその方の技術力に合わせてどこを狙って綺麗にすれば良いのかということを頭で理解しながら実践して頂くことであり、そのための歯ブラシというのはそれを達成するために自分に合ったものを選ばれるのが一番大切だということになります。

ですので電動歯ブラシだから安心とか、毎日磨いているから安心ということではなく、キワのプラークがどれだけ本当に取れているのか、毛先をキワに当てることが出来ているのかということだけを考えて各自工夫して磨いて頂くことこそが一番大切なのです。

 

    『磨いている』のと『磨けている』のでは全く違うのです!

投稿者: アクアデンタルクリニック

2018.12.01更新

当医院では、従来行われている見た目だけの改善を目的とした小臼歯抜歯を伴う矯正治療ではなく、「人間の成長発育のルール」に即した矯正治療を行っていますが、それでもやはり矯正治療を希望される患者さんの多くに「目立たないマウスピース矯正で何とかやってもらえませんか?」と言われます。

 

そこで今回は『マウスピース矯正、つまり人に気付かれないで歯並びをよくする矯正治療の適応症例について』お話いたします。

 

通常、人は誰かに会えばまずその人の顔を見て、それが笑顔かどうかを瞬時に判断しています。それは日常生活のありとあらゆる様々な場面で起きています。あなたが、会った人から好感を持って受け入れられるか否かは、その時々のあなたの“笑顔”にあると言っても過言ではありませんnico

 

笑顔が素敵、であるためには、マインドの問題もあるとは思いますが、そもそも笑顔を作り出すための良い歯並びと白い歯であることは最低必須な条件となるでしょう。

 

スナップ写真を見ていても、満面の笑みでお口を開けてらっしゃる方は良い歯並びと白い歯の方が多いです。逆に歯並びが悪く銀歯だらけの方はお口を閉じてしまい笑顔もぎこちない気もします。


歯並びを良くしていく歯列矯正治療は、こうしたことに気づかれた人が多くなってきたことでもあり、昔に比べてその数は当医院でもとても増えてきました。  


その中で、特に最近アメリカでその地位を高めつつある矯正治療法に、透明なマウスピースを装着するアライナー矯正があります。

 

アライナー

 

従来では歯並びを良くするための矯正治療は、歯の外側ないしは裏側にブラケットという装置を歯に貼り付けてそれにワイヤーを結紮したものを使って歯を少しずつ動かして歯並びを整えていくものでした。

 

アライナー2


食事中も寝ている時も四六時中歯にそうした装置を着けていなくてはなりませんでした。


通常のこうしたブラケット矯正装置は、歯の外側に出っ張っているために頬粘膜などにこすれやすいし、食事中も食べ物がはさまりやすく非常に違和感が大きいのが最大の欠点と言えます。

そもそも審美的にも良くしたいと思っているのにも関わらず、この矯正装置自体はどう考えても審美的ではないですよね?ehe

 

こういった欠点を克服しようと、開発されたのがアライナー矯正です。

 


透明な樹脂で作られてたアライナーと呼ばれる取り外し式の装置をはめるだけで、歯を動かそうとする矯正治療のことです。

 

最新のコンピューター3D技術のおかげで、最初の悪い歯並びの状態を型どりした後に、コンピューターソフト上で少しずつ歯を思った位置へ動かしていき、それに合わせて沢山の透明なアライナーを作ります。


通常こうした透明アライナーを1週間から2週間に一度の間隔で乗り換えていきます。

 

アライナー2

アライナー3

アライナー4

アライナー5

アライナー6

 

最大の特徴は、そもそも歯にワイヤーや、ブラケットといった装置が無い点です。
ただし、効率的に歯を動かすために一部の歯の表面に、アタッチメントといって歯と同じ色のレジンの突起物をつける場合もありますが、とても小さいので基本的には全く目立ちませんし違和感もありません。

また食事の時にアライナーは自分ですぐに外せますので、その時だけ外して、気兼ねせずに通常通り、何でも食事が出来ます。 食事が終わったら、口をゆすいでまた口の中にはめるだけでいいのです。

 

ただし、1日最低17時間以上、推奨は22時間以上、就寝時は忘れずに装着して頂くことが必ず必要となります

 

しかしながらアライナー矯正に向いている症例、向いてない症例があります。

 

アライナー矯正の得意とする不正咬合治療はどのようなパターンなのでしょうか??suu

 

人の顔の骨格形態は上顎と下顎で構成されています。


上顎に対して、下顎が前よりに位置している場合にはクラスⅢとよび、丁度良い場合はクラスⅠと呼び、逆に下顎が後ろに行き過ぎている場合にはクラスⅡと呼んで大まかに分類しています。


簡単な言い方をすれば、受け口傾向か、出っ歯傾向かということになります。


例えば、分かりやすい例だと元プロレスラーのアントニオ猪木さんやオリンピックフィギアスケート金メダリストの荒川静香さんなどはクラスⅢの骨格ということになり、芸能人の明石家さんまさんなどはクラスⅡの骨格ということになります。MLBのイチロー選手、ゴジラ松井秀喜元選手はⅢ、フィギアスケートの羽生選手はⅡになります。


クラスⅠであっても、歯並びがごちゃごちゃで乱杭歯の方は数多くいますので、骨格形態がクラスⅠだからといって歯並びが良いとは限りません。


そもそもアメリカでは骨格形態がクラスⅠより、クラスⅡの不正咬合の方が非常に多いという事実があります。

 

実は、アライナー矯正全般に言えることですが、治療する際に非常に効果的と考えられるのは、このクラスⅡの軽度な人たちと、クラスⅠの骨格形態の人たちの治療なのです。 


クラスⅢの骨格形態の人には、はっきり言って、ブラケット矯正、しかもGEAWによる治療法のほうが安全で確実と言えます。

 

少し脱線しますが、クラスⅢ治療にはブラケットをつけてマルチループエッジワイズアーチワイヤー(MEAW)という複雑な力をかけることが出来るようなワイヤーを使うか、最近開発されたGUMメタルという特殊な弾性係数を持っているワイヤー(GEAW)を使ってでしか治せません。


この手法は、もともとアメリカのDr.KIMが開発したものでした。


メカニクスが複雑でワイヤーを複雑に曲げる必要から、あまり手先が器用ではない米国では広まらなかったのですが、当時の神奈川歯科大学の矯正学教室の佐藤貞雄教授がオーストリア咬合学の生みの親であるウイーン大学のスラバチェック教授の「人間の成長・発育のルール」を用いた「悪い歯並びと噛み合わせの原因の多くが、人間の成長発育の段階で生じた顔の骨格と臼歯部(奥歯)の高さの不調和である」という治療の概念を最初に日本に導入され理論づけの研究をしてMEAWに適用して進化させました。

 

MEAW


クラスⅢという、いわゆる受け口傾向の骨格の治療には噛み合わせの咬合平面を変えることの出来る手法でない限り、矯正治療はなかなかうまくいきません。

通常なら外科手術が必要とされてきたかなり重症なクラスⅢ症例の方達も見事に治療成功させており、現在もその基本的な概念と手法は臨床上有効に生きて多くの先生に使われています。

 

GEAW

 GEAW治療途中

 

 

そもそも、従来の矯正治療の概念の中には、上下顎の高さと角度に対して、積極的にアプローチをして歯並びと噛み合わせを治していこうとする考え方が矯正治療の歴史の中にはありませんでした。


マルチループやGUMメタルを使った矯正治療は歯の圧下と挺出が自在に出来るために、咬合平面をコントロール出来るという点が最大の強みです。ですので、ほぼ全ての症例に対応可能な方法です。当院でも症例に応じて、この考え方での治療が主流です。

 


実際、矯正専門医の中でも、複雑にワイヤーを曲げる面倒さからこのMEAW法を用いた矯正治療は出来ないかやらない方が多いようで、いわゆるストレートワイヤーを用いた矯正治療を行う方法が圧倒的に多いのも事実です。


アメリカではクラスⅢ症例に関しては下顎骨格を外科的に短く削って、上顎とのバランスを強制的に合わせて治すという、外科的矯正の対象となる診断が多くあるのも事実です。

 

さて、話をアライナー矯正に戻しますが、クラスⅠ、軽度のクラスⅡの顔面骨格であることが術前診断から分かれば、あえて、複雑で違和感の多い従来型のブラケット矯正をやる理由はほとんど無いと言っていいでしょう。

 


アライナー矯正の唯一の欠点を挙げるなら、歯に着けていない限り歯が動いていってくれないので、寝ている時も含めて、食事以外の一日通常22時間が装着推奨時間となります。最低でも17時間です。


ついつい装置を口に入れるのをさぼってしまうと、予定通りに歯が動いて行ってくれなくなります。

最近では複雑な症例の場合、最初はまずブラケット矯正をしてから、ひどい不正咬合をある程度治しておいてから、終盤になった時にブラケットとワイヤーを外して仕上げにアライナーをつけていく、といった方法も取り入れられています。


また、10代の子供たちにとっても、アライナー矯正は非常に有効です。


なぜ10代の子供たちにとってアライナー矯正が有効かというと、この時期の子供は下顎位といって上下の顎の位置関係がまだ成長発育期にあり、上下的にも前後的にも適応能力が非常に高いからです。

ブラケット治療をしていると、学校でからかわれたりする心配があり、装置が外れて緊急で来院するといった手間ができることもあります。


また、部活や進学で忙しい時期でもあるので、なるべく来院間隔は少ないほうが嬉しいものです。


 
大人の歯が生え揃う永久歯列期または混合歯列後期における下顎劣成長を伴うクラスⅡ不正咬合の成長過程にある患者さんなどにはまさにアライナー矯正装置はうってつけの装置と言えるでしょう。

 

投稿者: アクアデンタルクリニック