院長コラム

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2021.12.16更新

当医院での矯正相談でいらっしゃる方のほとんどが他医院や大学病院で、矯正専門医に

 

「小臼歯抜歯が必要」

 

「外科手術が必要」

 

と診断されて、何とか回避して矯正できないか?とセカンドオピニオンを求めて来られる方々です。

 

しかも、パッと口腔内を診ただけで瞬時に判断された方が結構多いのです。

 

確かに、矯正専門医はそのキャリアの殆どを矯正治療に費やしてきただけあって、膨大な症例と経験があるので、診ただけで診断出来るのかもしれません。

 

見た目だけを完璧にしたいのであれば、抜歯や外科手術が手っ取り早いのは否定しません。下顎がガッチリした人が現代風の小顔になりたいのであれば当然顎切り手術が必要になります。つまりここまで来るとそれは矯正ではなく美容整形の範疇です。

 

しかしながら、当医院にセカンドオピニオンを求めて来院される患者さんの声を良く聞くと、そこまでは希望されておらず、どちらかというとしっかりモノを噛みたい、これ以上歯を失いたくない、歯並びが悪いために歯周病や虫歯になりたくないといった機能的改善を望まれてる方がほとんどであります。

 

そして、小臼歯抜歯や外科手術が必要なく矯正治療可能なことをお伝えすると

 

矯正専門医に言われたから、それしか方法が無いのかとほぼ諦めていました」

 

と言われる方が多くいらっしゃいます。

 

またプライドの高い専門医の中には「私は矯正専門医で長年やってきたので私の診断が絶対であり、そこいらの開業医の言うことは全然ダメです」と専門医の肩書を強調される方もいます。

 

私が知る限り、矯正専門医の多くは歯科大学卒業後に矯正科の医局に入り、虫歯治療や歯周病治療をほとんど経験することなく、矯正治療だけを学びます。ましてや咬合(噛み合わせ)治療など治療どころか知識すら無い先生が結構います。

 

我々一般開業医で矯正治療も行っている歯科医の多くは、虫歯・歯周病・噛み合わせ治療を通じて色々悩み抜き、その根本的な解決策として矯正治療に辿り着きます。月に数日外部から矯正専門医を呼んでいる医院は除きます。

 

だからこそ小臼歯抜歯が 如何に愚かなことかが身に染みて分かっています。外科手術しないで受け口や開咬(オープンバイト)を改善する方法があるのを知っています。

 

ところが一般の方の多くは、大学病院とか専門医という肩書が最高峰と勘違いしてしまいます。

 

その結果、小臼歯抜歯をして下顎が後ろに下がってしまい様々な症状に苦しんでしまう方も多く見てきました。前歯をモデルさんのように綺麗に立てたいのなら小臼歯抜歯が必要でしょう。しかしそのことによって機能面を犠牲にする可能性があることを矯正専門医は説明して同意を得るべきなのです。ところがガタガタ=小臼歯抜歯としか学んでこなかったので分からないので仕方ありません。

 

しかも最近特に、小臼歯抜歯した後の矯正治療途中に、不定愁訴が現れて相談にいらっしゃる方が特に増えてきました。

 

確かに小臼歯抜歯しなかったために前歯の仕上がりが不満な方も稀にいらっしゃいます。ただその場合は前歯を影響無い範囲で少しスライスしてあげることでほぼ解決します。何故なら機能面がきちんと出来ていれば、あとはほんの細かいチョットのことで満足して頂けるのです

 

まずは相談にいらして下さい。矯正専門医の診断が全てではありません。

投稿者: アクアデンタルクリニック