もしあなたが半年から1年にかけて、矯正治療までやったのなら数年かけて、かぶせ物を装着し終えてやっと治療も終わったのならば、これにてもう歯科治療は完全に卒業したい!と考えることでしょう。
しかしながら、広範囲にわたるかぶせ物がお口の中に装着された場合、長期的にはその素材の違いにより、歯牙とは違った擦り減り方をしてくるのです。
例えば、上の前歯にセラミック冠をかぶせて、他の歯は全て自分の歯(天然歯)の場合には、定期的にそのセラミックの前歯の裏側と下の歯とのぶつかり具合を必ずチェックする必要があります。
何故なら、セラミックの方が天然歯よりも磨耗に対して硬いために、知らず知らずのうちに下の前歯と強い対合関係になってしまっていて、気づいた時にはいつの間にかかぶせたセラミックが少し前に出てきたように押されてしまっていたり、セラミックをかぶせた前歯の根っこにヒビが入ってしまっていたり、その歯肉の周囲がいつも炎症状態になっていたりと色々なトラブルが出て来ます。
ですから最低でも1年に1回、出来ましたら半年に1回はメンテナンスを受けて頂き、クリーニングとは別にかみ合わせのチェックをする必要があります。
私がメンテナンス時に必ず咬合紙と言われている青と赤のセロファン状の紙で色々噛んで頂いているのは上記の理由からなのです。