院長コラム

sp_btn01.png
メールでのお問い合わせ

2019.06.04更新

前回のコラムではかぶせ物について書きました。それでは入れ歯(義歯)が奥歯に入っている方の場合はどうでしょうか?

 

人工的に作られている義歯のかみ合わせの面(咬合面)形態は、例えて言うと靴底や車のタイヤみたいなものです。

 

従って、使うにつれてどうしても磨り減りが生じてきます。この磨り減りには個人差がありますが、顎の骨格がしっかりしている方の場合は顕著に、そうでない方でもいずれにせよ知らないうちに必ず起きてきます。

 

咬合面をつるつるの状態で義歯を使い続けると…以前噛み切れていた食物が噛み切り難くなり、無理に強い力で噛むようになったり、噛める場所を求めて無意識にあらぬ場所で噛もうとするようになってくるのです。こうなってきますと、義歯を支えている歯牙そのものへ強い負担が加わり歯牙が割れたり、ヒビが入ったり、歯周病が進みやすくなってぐらぐらしてきたりします。また、あらぬ場所で噛むことでの顎関節への負担により、顎が疲れやすくなってきたり、それを動かしている取り巻きの筋肉が痛くなってきたり、最悪の場合は顎関節症になってしまう危険性もあるわけです。

 

擦り減った靴底のままマラソンを続けていると膝や足首を痛めたり、擦り減ったタイヤのまま車を運転し続けると内部エンジンに不具合が起きてしまうのと同じです。

 

メンテナンス時に私が人工歯の擦り減りのチェックから行うのは以上の理由からです。

 

自費治療で高額な義歯を入れられた方でも、残念ながら人工歯の擦り減りは起こるものなのです。確かに健康保険の義歯に比べると材質が硬く擦り減り難い人工歯を使用してはいますが、これは避けられません。

 

しかし、ここで大切な事は、磨り減ってきた場合にはその部分に盛り足すといったリカバリーで、現状に対応していけば良いと言う事です。

 

一般的には義歯の調整の際に人工歯をバリバリ削ることが多く行われていますが、それでは噛みあわせがどんどん低くなり、残っている自分の歯にますます負担がかかってしまい大変危険です。

 

当医院ではハイブリッド素材を用いて人工歯に盛り足しを行っているので、定期的にメンテナンスに来院して頂ければよりご安心頂けるものと思います。

投稿者: アクアデンタルクリニック