院長コラム

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2019.01.30更新

あなたの街に歯科医院は何軒ありますか?

 

今やコンビニの数より多いと言われている歯科医院。それは紛れもない事実です。当医院が所在している東急東横線祐天寺駅半径1キロ内にもコンビニ6軒に対して歯科医院はなんと18軒もありますabon

 

それでは一体どの歯科医院を選んだら良いのでしょうか??

 

知り合いの歯科医院や友人などに紹介された歯科医院に行くのも一つの選択肢でしょう。もちろん腕が良いのは大前提ですが(笑)ehe

 

それ以外に歯科医院を選ぶポイントを2つお教えします。

 

 

 

① 多様な治療の選択肢を持っている歯科医院であること

 

皆さんはご自分の歯が痛くなって歯科治療を受けることになった場合、治療方法は一通りではなく、色々な条件によって決定されることをご存知でしょうか?これから歯科にかかる方はを是非この事を知っておいて頂きたいのです。

 

最近、他医院から当医院に転医院される患者さんの多くが「もうインプラントでしか治療出来ません!」とか「真ん中の歯を抜かないと矯正出来ません!」と言われたということが増えています。un

 

 

例えば、奥から2番目の歯が痛くなった場合で歯がすごく崩壊して到底使えそうもない位のむし歯であったとします。この場合、それでもこの歯を残した方が良いのか?抜歯した方が言いのか??という最初の選択をします。

 

かなりのご高齢であり、内科的な疾患を多く抱えており、服用薬も多い方で外科的な処置が厳しい場合には、根っこの一部を残した状態でもそこを消毒して、だましだましお使い頂くことがあります。

 

一方若い健康体の方の場合にはとっとと抜歯して、その部分を早く仕切り直すことでしっかりとした次の治療(例えばインプラント)をし易くするという治療をします。つまり年齢やその方の健康状態がまず第一の条件になります

 


次に、残念ながら抜歯となった場合、その次に来る選択肢は4つあります。

 

1つ目は両隣の歯を削って固定式のブリッジというかぶせ物にする方法、

2つ目は歯のない部分にインプラントという人工歯根を外科的に埋入する方法、

3つ目は両隣の歯にワイヤーなどでひっかける取り外し式の義歯にする方法、

そして、

4つ目は何もしないで放置する(あまりおススメしませんが)方法です。

 

比較

 

皆さん過去にこのような図を見せられて説明を受けられた経験があると思います。しかしそれぞれの費用ややり方、利点・欠点の説明ぐらいではないでしょうか?実はそれでは不十分なのです!何故なら…

 

それぞれの治療方法には様々な要因が影響するからです。

 

例えば、外科的な方法が嫌!…という方はブリッジか義歯ということになります。その中で両隣の健康な歯を削るのは嫌!…という方の場合は、必然的に取り外し式の義歯となります。

 

義歯という選択をされた場合でも、次の選択肢として、健康保険のワイヤーを使った義歯にするのか?、特殊な樹脂を使った金属を使わない外見的に目立たない自費の義歯にするのか??を選ぶ必要があります。

 

ブリッジという選択肢を選んだ方の場合には、健康保険の効く金銀パラジウムという金属を使った銀歯のブリッジにするのか?、最近の3D技術を応用して作られたジルコニアという白い硬い結晶体を削り出して作られる自費のブリッジにするのか??を選んで頂く必要があります。

 

インプラントを希望される方でも、ヘビースモーカーの方はNGですし(余談ですが、ヘビースモーカーの方にそのリスクや本当は禁忌症であることを説明せずにインプラントを行うモラルのない歯科医師が最近多いように思います。)、骨粗鬆症のお薬を長い間服薬されてきた方や管理されていない糖尿病の方もNGです。かみ合わせや他の部分の歯の健康状態があまり良くなく、高度な歯周疾患になっている場合はまずそちらがしっかりとコントロールされていないと、いくらインプラントオペが成功したとしても、いずれダメになってしまいます。

 

このように様々な要因が影響してくるため、例えば「とにかく健康保険の利く範囲で先生の一番良いと思う方法でやってください」ということになると、どうしてもちゃんとした治療が出来ない場合があるためにこちらも面食らってしまうこともあります。この方が既に説明したように何でもない自分の歯を削られるのは嫌!…なのであれば最初にハッキリと伝えておかないと、黙って保険の銀歯のブリッジが被せられて終わり…ということになりかねません。健康保険は使うことの出来る材料も保険適用のものしか認められておりませんので、本来それ以外のもっと良い素材があったとしても、そちらを使うことが出来ない訳です。

 

歯科治療は上に書いてきたように様々な方法論があるのですが、そこには其々の利点欠点が必ずあります。インプラントはかなり優れた良い方法だと私も思っていますが、高額な保険の効かない治療ですので保険の範囲でとにかくお願いしますという方には初めから治療の選択肢から除外されることになります。

 

一方、インプラント推進派の先生方がよく引き合いに出すブリッジに対する不利な側面として、ブリッジの耐久性は両側の歯を削って支えるので7年くらいしかもたない…ということを挙げられます。しかしながら私が開業以来手掛けたブリッジの多くが15年以上今まで問題無く保っています。

 

要するに口腔ケアの状態がしっかりしていて、かみ合わせのコントロールがしっかりした設計であれば、基本的にはブリッジでも決してすぐにはダメにならないのです。

 

義歯の場合は周りの歯をあまり削ったりせずに済みますが、歯肉の部分にプラスチックの樹脂を利用していますので、長期的には樹脂が少しずつ唾液を吸って変色劣化していきますので何十年と同じものをお使いになるのは難しいと思いますし、そもそもそうなるとニオイなどの点で不衛生かも知れません。

 

ある意味消耗品と割り切って、何年かごとに乗り換えていくことが必要となるでしょう。また、歯や骨などの硬い組織以外に粘膜面にも力を分散して支えていく必要上、どうしても食事中に義歯が動いたり、粘膜面の圧迫感、すれなどの違和感がある程度生じる可能性があるのは事実です。

 

ブリッジと義歯の、良い所取りとしての中間的な存在として、取り外しのきくテレスコープ義歯というドイツ式の特殊な設計の治療方法もあります。(これについては2018年6月2日の院長コラムをご参照ください)

 

ここまでお読み頂いてやっぱり歯科治療は信頼出来る担当の先生としっかりと話をしてから進めなくてはいけないんだな…と思われた方、それがまず第一歩と思って下さい。そのために、保険、自費にこだわらずにその方その方に合わせた方法論を一緒に考えていってくれるような、あなただけのかかりつけの歯科の先生を早いうちから探しておかれることを強くお勧めします。

 

 

② 歯科医師会に所属している歯科医院であること

 

これは実は患者さんのほとんどが知らないと言っても良いでしょう。ここで法律的な話をします。

 

 歯科医師法 第一章 総則

 第一条 歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌(つかさど)ることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする。       

 

それでは公衆衛生とはどういうことでしょうか?

 

 公衆衛生(public health)

  地域社会、国など社会一般の人々の健康を保持、増進させるため、公私の機関によって行われる組織的な衛生活動をいう。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説) 

 

 組織的な社会の努力により、大衆の保健衛生、福祉の向上・増進を行おうとする科学と技術の総称(広辞苑  三省堂の解説)

 

公私の機関によって行われる組織的な衛生活動…ということは要するにそれぞれの歯科医院が仮に公私の機関の一部と解釈は出来たとしても、組織的な衛生活動をしているわけではない(自分の診療所の中だけで個人的に衛生活動はしているものの)ということになるのです。

 

要するに、ただ勝手に開業しているだけでは組織的ではありえず、組織的であるためには歯科医師会という組織化された団体の中でしか行動出来ないのが公衆衛生なのです。

 

 

ですから、弁護士会のように開業したら必ず歯科医師会に所属するのが当然な筈ですが、何故か未入会診療所が存在するのが現状です。

 

「ちゃんと治療してくれさえすればいいよ。私たちにとって歯科医師会に入っている診療所かそうでないかなど関係ない」という患者さんもいることでしょう。

 

確かにそれも一理あります。しかし、35歳以上の方を対象とした『成人歯科検診』やお子様を対象とした『フッ素塗布』、妊産婦の女性を対象とした『妊産婦検診』などのお住まいの地域から送られてくる無料の検診、まさにあなただけなくあなたのご家族のかかりつけ歯科医によるサービスは歯科医師会に所属している歯科医院でしか受けられないのです。

 

また、例えば一軒家を構えるともちろん法律的な決まりはありませんが、その近所のゴミ当番をやるのが当然ですよね?ところがゴミ当番は拒否するがその収集場所にゴミはちゃっかり捨てる隣人が居たらあなたはその人とご近所付き合いしたいですか?ちなみに我々歯科医師会会員が選出した代議員が国会でその年の歯科医療費予算や保険点数を良いほうに向けて勝ち取ってきます。つまり歯科医師会非会員診療所はそういう良い所取りだけをしているのと同じなのです。punpun

 

また、診療内容や診療費に関して直接先生やスタッフに言いにくいことを相談出来たり等の大きなメリットもあるのです。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.01.08更新

 以前のコラムにも載せた写真ですが、いずれも当医院に真面目に10年以上通って下さっている70歳以上の患者様のお口の中です。down arrow

 

70歳70歳2

 

細かい所を論じたらキリがありませんが、オーバー70歳でこの状態なら十分満足頂けると思います。nico

 

それでは逆にどうすれば70歳になってもこのような状態でいられるのでしょうか?

 

そもそも将来的に歯を失ってしまう原因は何でしょうか?

 

 

詳しく知りたい方は以下の文章をお読み下さい!!

 

        down arrowdown arrowdown arrowdown arrow

 

 

【将来歯を失う二大原因】

 

1.歯の汚れ、歯垢(プラーク)、歯石を放置している


前回の院長コラム「これが究極の歯ブラシだ!」でも書きましたが、皆さん肝心な場所を磨けているようで案外磨けていません。また、バイオフィルムという汚れはプラークのように目に見えないので気づかないことが多いのです。shun

 

しかしながら、これも前回の院長コラムで述べましたが、現在では日本においても徐々にお口の中の関心が欧米並みに高まっていて、ケアするための様々な歯ブラシや周辺器具が薬局で所狭しと並んでいます。スイス製のクラプロックスという超優れものの歯ブラシも手に入るようになり、誰でも特殊なテクニック要らずで肝心な場所を磨けるようになりました。ihi

 

もちろん、かかりつけの歯科医院で定期的なメンテナンスをしてもらうことが大前提ですが、放置したことによって歯を失ってしまう人はかなり少なくなっているのではないでしょうか?

 

 

2.歯並びと噛み合わせが悪いのを放置している

 

私の臨床経験上、これが一番の原因だと思います!


一見歯並びが悪くないように見えても、前歯と奥歯の連携が取れていない場合が多くあります。これに関しては2018年9月1日の院長コラム「あなたの前歯と奥歯の噛み合わせの連携は大丈夫?」を是非お読みください。

 

8020運動の達成者(80歳になっている時点で20本以上の歯が存在する方)は、ほとんどの方が噛み合わせに異常が無く(正常咬合)、受け口(反対咬合)や前歯が噛んでいない状態(開咬)が極めて少なく、前歯の被蓋が正常で、顎を前後左右に動かした時に奥歯が干渉しないスムーズな噛み合わせ(アンテリアガイダンス)が存在するものがほとんどであるという研究報告書が平成14年度に出されています。(平成14年度 8020達成者の咬合および顎顔面形態に関する調査 東京歯科大学歯科矯正学教室、千葉市歯科医師会共同による8020公募研究報告諸抄録資料より)

 

この報告書の意味するところは、年を取った時に歯が多く存在している方は若い時から噛み合わせが良好であったということなのです。

 

つまり、矯正治療を若い頃(もちろん年を取ってからも)に受けておくことのメリットは、出っ歯を治すとか、受け口、乱杭歯を治すといった、見た目を良くするといった審美的な要因以上に、ご自身の歯そのものの寿命を延ばすという、とても大切なことに繋がっているわけです。

 

歯並びが悪いのを放置しておいた結果、中年以降に歯が駄目になり始めて、ブリッジによる欠損補綴から始まり、違和感の強い取り外しの義歯を我慢して使わなくてはならなくなったり、更には歯一本あたり40万円もするインプラントを何本も入れる必要が生じてしまったり…という方を数多く見てきています。namida

 

そう考えると、確かに矯正治療は高額な出費ではありますが、長期的に見た場合、将来のご自身の歯の延命=健康のためには非常に安価で理に適った治療と言えるのではないでようか?ni

 

噛み難いといったような症状を特に奥歯は見えないからいいや…と考えて放置していると、将来とんでもないしっぺ返しを受けることになります。

投稿者: アクアデンタルクリニック