院長コラム

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2019.11.05更新

 皆さんは出来ることなら一生自分の歯のままで居たいですよね?

 

入れ歯(歯科用語で義歯といいます)にはなりたくないですよね?

 

最近ではインプラントの普及により義歯を入れている方は非常に少なくなりましたが、奥歯に支えることの出来る歯が既に無くなってしまった場合や、あまりに抜けてしまった歯が多い場合などインプラントにするには難しいケースの場合は義歯を選択する場合も少なくありません。糖尿病や血液性疾患などの持病がある場合も同じです。喫煙される方は論外です。

 

またインプラントは保険が利かないいわゆる自費治療になるため、懐事情により義歯を選択せざるを得ない場合もあります。

 

当然、固定式のかぶせ物で対応出来るうちはその方が良いに決まっていますが、然るべき時に適切な処置を施さなかったために、そのツケが回ってしまい、結果的に多数の歯を失い、義歯になってしまわれる方もいらっしゃいます。

 

義歯は歯茎の粘膜を広く覆ってしまうために、その違和感の強さはそれまでの固定式のかぶせ物の比ではありません。例え健康保険の固定式のかぶせ物であっても、それで済んでいた場合はまだ良かったのですが、歯と歯茎のお手入れを怠ったあまり、歯を失い、義歯になってしまった場合は、口腔内の環境の大きな変化に、違和感のある義歯を入れていられない人もかなりいらっしゃいます。

 

義歯

 

私どもが皆様にご提案する治療プランは決して安くはありません。場合によっては「高いものを勧めてきやがって」と思う方もいるかも知れませんし、実際に街角の井戸端会議で「歯医者さんはお金がかかる」という話は良く耳にします。

 

しかしながら、長期的になるべく快適に口腔内の状態を維持して頂けるためにはどういったプランや設計のモノがその方にベストであるのかは多くの臨床データからエビデンスに基づいてご提案出来ます。

 

念のため申し上げておきますが、自費治療が儲かると思ったら大きな誤解です。何故ならそれに関わる技工士さんへのチャージ、材料費、そして治療時間などをトータルして考えると、正直健康保険のモノを多くこなしたほうが利益率が高いくらいです。

 

義歯2

 

 

 

いつも皆さんに申し上げていますが、自費治療のモノはその時は値段が高いと思われるでしょうが、口腔内で長期間快適に機能することを考えると結果安く上がることになります。安上がりで見栄えもよく長期的に安定している健康保険の治療というのは、残念ながら無いのが現状です。抜歯という最悪の結果への近道になってしまう場合も多くあります。

 

ご自身の根がある歯は二度とお金では買い戻せません!

 

安物買いの「歯」失いにならないように、今日も明日も全力で説明させて頂きます。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.10.08更新

私どものクリニックでは初診時やお久しぶりの患者さんには出来るだけお口の中全体が総覧出来る、パノラマレントゲン写真を撮らせて頂いております。

 

中には「痛い所はどこも無いから」とかの理由で、断られる方もいらっしゃいます。

 

しかし

 

自分では何でも無いと思っていても年々体力は変化していきます。口腔内の環境も知らぬ間に大きく変化している可能性があります。

 

特に 虫歯は初期の段階では症状があまり出ない、というか全く気が付かないことの方が多いようです。

 

パノラマ

 

初診でクリーニング希望で来院された患者さんの左下の歯の写真です。ご本人には何の自覚症状も無いとのことでこの写真をお見せしても虫歯だったとは分からなかったようです。

 

パノラマ2

 

 

一方これはパノラマレントゲン写真です。このレントゲン写真から

 

1.左下奥から2番目の銀歯の下に神経に達するレベルの大きな虫歯があるのが分かります。

2.左上前から2番目の歯の後ろ(犬歯との間)に隣接面虫歯があるのが分かります。

3.左上奥から2番目のかぶせ物の中は根の治療済みですが、根の先に黒い影8根尖病巣)があるのが分かります。

4.上下共に親知らずが埋まっているのが分かります。

5.左下1番奥の歯の詰め物の中が虫歯になっているのが分かります。


これらのことは、外見だけではなかなか分からないものです。

 

虫歯は細菌感染症です。弱い箇所から、磨きの悪いところから攻撃を開始してきます。最初は気付かれないように静かに攻撃しながら徐々に病巣を拡大していきます。

 

痛くないのに治療を勧められた?必要ないのに写真を撮られた?…といった話をよく聞きますが、痛くならない前に虫歯を見つけてもらって治療してもらって逆に良かったですね!…ということになります。

 

たいていは何らかの症状が出てから来院される方が圧倒的に多いので、それでは遅いということになります。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.09.02更新

「親知らずは抜いた方がよいのか、抜かない(残した)方がよいのか?」

 

我々歯科医師の間でも意見が大きく分かれるテーマの1つです。また患者さんの間でも先生によって意見が違うので「本当のところはどうなの?」と、知りたいことの上位に必ず上がってくるテーマです。

 

以下、一般臨床に加えて噛み合わせと矯正をメインにやってきた私なりの見解をお伝えしたいと思います。

 

今回は『抜かない(残した)ほうがよい親知らず』篇です。

 

①親知らずが歯並びに悪影響を与えずにちゃんと機能している場合

 

智歯

 

私の臨床経験上、例え親知らずが生えきっていたとしても、上下の親知らず同士で噛み合っていたとしても(特に現代人の顎は小さい関係上、臨床上少ないですが…)、その代償として前歯(特に下顎)の並びが凸凹してしまったり、噛み合わせが奥歯しか当たっていなかったりして、特に矯正を含めて全体的な治療が必要となった場合は先ずは親知らずを抜歯することからスタートすることが多いです。

  

しかし、この写真の場合は

 

智歯2

 

このように上には親知らずが無く、下の親知らず8番が対合側の第二大臼歯7番としっかり噛んでいるため抜かない(残した)ほうがよい親知らずになります。

 

 

親知らず 干渉

 

しかしこの写真のように下には親知らずがちゃんと生えていますが、向かいの上には無い場合、下の親知らずは徐々に上に向かって延出しててきます。そうすると噛んだり、顎を動かしたりするときにこの延び出た親知らずと上の7番に干渉が生じてしまい、最悪の場合顎関節症を引き起こすことがあるため抜歯するほうが望ましいという訳です。

 

親知らず干渉2

 

 

 

親知らず 干渉3

 

 この写真の場合は、上には親知らずが有りますが下には有りません。確かに下の7番と干渉はしませんが、この親知らずは下に向かって延出↓してくるため、いずれ顎を閉じただけでも下の歯茎を噛んでしまいます。そうなると痛み止めは役に立たず、最悪の場合、機械的刺激により歯肉癌に発展してしまうことも十分に考えられます。従って抜歯した方が賢明です。

 

親不知干渉4

 

②抜いた後のリスクが明らかに大きい場合

 

智歯3

 

下顎には下顎管という下顎の知覚を司る神経が走行しています。横を向いて埋まっている親知らずと下顎管が非常に近接していて無理に抜くことによってその下顎管を損傷してしまう可能性が高い場合、つまり抜いた後のリスクの方が大きいと判断した場合は抜歯しない選択をします。

 

下顎管

 

この写真の場合は、埋まっている親知らず(埋伏智歯)が下顎管(緑線)と非常に近接していて、しかも親知らずの位置と方向から考えて(CTで確認することもあります)、特に全体に大きな影響を及ぼさないであろうと判断し、抜歯はしないことになりました。

 

ちなみに、埋伏智歯で抜歯する必要がある場合は、抜歯後の下顎管へのリスクを説明して抜歯するか否かの選択をして頂き、抜歯される場合は大学病院の口腔外科を紹介しますので安心して施術を受けて下さい。

 

③将来親知らずを7番として代用可能な場合

 

代用

 

写真のように親知らずの手前の7番が神経の無い歯で将来的に長持ちしないだろうと診断出来た場合、あえて7番を抜歯して、8番が自然に抜いた7番の位置に来るのを待つか、矯正治療を併用して7番の位置に誘導するという選択もあります。

 

代用2

 

 ちなみこの場合、下顎の親知らずは明らかに7番に悪影響を与えており、下顎管にそれほど近接していないため、親知らずを口腔外科専門医に抜歯依頼することになります。

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.08.20更新

「親知らずは抜いた方がよいのか、残した方がよいのか?」

 

我々歯科医師の間でも意見が大きく分かれるテーマの1つです。また患者さんの間でも先生によって意見が違うので「本当のところはどうなの?」と、知りたいことの上位に必ず上がってくるテーマです。

 

以下、一般臨床に加えて噛み合わせと矯正をメインにやってきた私なりの見解をお伝えしたいと思います。

 

今回は『抜いたほうがよい親知らず』篇です。

 

前から数えて8番目の歯を第三大臼歯、通常「親知らず」と言います。

 

その多くが、顎の大きさに対して元々の歯列の中に納まりきれないために完全に生え切って来ないか、横に傾いて出かかった状態で中途半端に止まっているかのどちらかです。

 

皆さんもご存じの通り、歯は通常保存してなるべく抜かないように治療するものですが、親知らずに関してはむしろその逆の場合が圧倒的に多いのは、

 

①中途半端な位置であることで不潔になりやすく歯ブラシが届きににくく虫歯になりやすい。また親知らずが邪魔でその手前の歯までも連鎖で虫歯になってしまう。限局性の歯周病がその場所に起きて歯茎が腫れたりする。

  

②萌出して来ようとする力が加わって、その手前の歯から徐々に歯並びと噛み合わせがずれてくる。

 

からです。

 

では実際に①の例を見ていきましょう。

 

左奥の歯が痛い!

 

親知らず

 

写真は左奥の歯が痛いとのことで来院された30代男性のレントゲン写真です。

 

横に向いて生えているのが親知らずです。手前の第二大臼歯はその間が磨けていなかったために、虫歯になってしまい、レントゲン写真でも歯髄(歯の神経)の方まで虫歯の黒い影が進み始めているのがお分かり頂けると思います。こうなってくると、治療方法としては当然まず第二大臼歯の根の処置(神経をとる作業)を行うのですが、その後、このままの環境ですと、横に向いている親知らずとの間から虫歯が再発するリスクが残ってしまいます。

 

親知らず3

 

 

 

第二大臼歯

親知らず2

 

実際に第二大臼歯の根管治療をするために上から穴をあけた状態の写真ですが、このように親知らず自身も虫歯になってしまっているのがお分かり頂けると思います。

 

この症例のように横を向いている場合は、放置した場合再度その部分に汚れが溜まっていくリスクは無くなっておらず、また絶えず後ろから押し続ける力は加わり続ける()ので抜歯という選択が明らかに正解であります。

 

しかしこの症例とは異なり、第三大臼歯が上下とも横向きでなくしっかりした方向にと生えていて、噛み合っていたなら親知らずの手前の歯がこのように虫歯になることはあまり無いと言えます。しかし現代人では親知らずがしっかりとした方向で上下かみ合っている例は私の今までの臨床経験からあまり見たことがありません。ほとんどの方が半分だけ出ている状態だったり、横を向いて手前の歯を押している親知らずのどちらかの場合です

 

要は、現状どんなリスクが親知らずによって生じているかを見極めたうえで天秤にかけて、抜歯するか否かを決めれば良いということになります。

 

矯正治療などにおいては、親知らずは基本的には抜歯されることが望ましい場合が多いです。その理由は、のように混みあっている後ろの歯の状態が結果的に前の方に押し出す力となって歯並びを悪くしていることが多いからです。

 

次回は『抜かないほうがよい親知らず』篇をお届けします。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.07.19更新

「矯正治療ってガチャ凹の歯並び、つまり審美的に見た目を改善するのが目的ではないんですか?」

「もういい歳ですが、今からでも矯正治療出来ますか?」

と、よく言われます。

 

確かに、矯正治療といえば見た目を良くする為だけの治療であるとか、若いうちだけにする治療であると考えられがちです。

 

しかしもう一つの目的、いや本当の目的は歯の寿命を延ばすために矯正治療をするという事なのです。

 

歯は本来前歯と奥歯に分けてそれぞれの機能分担をし、連携し合って顎の動きを制御しています。

顎をあちこちに動かした時に歯並びに問題が無ければどの歯にも無理な力が偏って加わることはなく安定した状態を維持出来ますが、そうでない場合には奥歯ないしは前歯への負担が偏りがちになり、結果的にはどこかの歯への過大な力のために歯の表面が欠けて虫歯になったり、知覚過敏になったり、それらが小さなほころびとなり、拡大し、神経を取られてかぶせ物になり、最悪の場合は歯を失い入れ歯になってしまっている人が結構多いのです!

 

実のところ、毎日来院される患者さんの大半の方がこうした前歯と奥歯のしっかりとした機能分担・連携がどこか欠落しているために引き起こされた症状を主訴としています

 

つまり、本当の原因は歯列不正によるところがかなりあるということなのです。

 

 

① 前歯のガイドが急峻すぎるために顎の動きがスムーズにいかないために顎が痛くなって矯正をしたケース

 

矯正前 矯正1

 

矯正後 矯正2

 

 


② 奥歯しか噛んでいない為に臼歯の知覚過敏が引き起こされ、その治療のために矯正することになったケース     

 

矯正前 矯正3

 

矯正後 矯正4

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.06.04更新

前回のコラムではかぶせ物について書きました。それでは入れ歯(義歯)が奥歯に入っている方の場合はどうでしょうか?

 

人工的に作られている義歯のかみ合わせの面(咬合面)形態は、例えて言うと靴底や車のタイヤみたいなものです。

 

従って、使うにつれてどうしても磨り減りが生じてきます。この磨り減りには個人差がありますが、顎の骨格がしっかりしている方の場合は顕著に、そうでない方でもいずれにせよ知らないうちに必ず起きてきます。

 

咬合面をつるつるの状態で義歯を使い続けると…以前噛み切れていた食物が噛み切り難くなり、無理に強い力で噛むようになったり、噛める場所を求めて無意識にあらぬ場所で噛もうとするようになってくるのです。こうなってきますと、義歯を支えている歯牙そのものへ強い負担が加わり歯牙が割れたり、ヒビが入ったり、歯周病が進みやすくなってぐらぐらしてきたりします。また、あらぬ場所で噛むことでの顎関節への負担により、顎が疲れやすくなってきたり、それを動かしている取り巻きの筋肉が痛くなってきたり、最悪の場合は顎関節症になってしまう危険性もあるわけです。

 

擦り減った靴底のままマラソンを続けていると膝や足首を痛めたり、擦り減ったタイヤのまま車を運転し続けると内部エンジンに不具合が起きてしまうのと同じです。

 

メンテナンス時に私が人工歯の擦り減りのチェックから行うのは以上の理由からです。

 

自費治療で高額な義歯を入れられた方でも、残念ながら人工歯の擦り減りは起こるものなのです。確かに健康保険の義歯に比べると材質が硬く擦り減り難い人工歯を使用してはいますが、これは避けられません。

 

しかし、ここで大切な事は、磨り減ってきた場合にはその部分に盛り足すといったリカバリーで、現状に対応していけば良いと言う事です。

 

一般的には義歯の調整の際に人工歯をバリバリ削ることが多く行われていますが、それでは噛みあわせがどんどん低くなり、残っている自分の歯にますます負担がかかってしまい大変危険です。

 

当医院ではハイブリッド素材を用いて人工歯に盛り足しを行っているので、定期的にメンテナンスに来院して頂ければよりご安心頂けるものと思います。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.05.20更新

もしあなたが半年から1年にかけて、矯正治療までやったのなら数年かけて、かぶせ物を装着し終えてやっと治療も終わったのならば、これにてもう歯科治療は完全に卒業したい!と考えることでしょう。hand

 

しかしながら、広範囲にわたるかぶせ物がお口の中に装着された場合、長期的にはその素材の違いにより、歯牙とは違った擦り減り方をしてくるのです。namida

 

例えば、上の前歯にセラミック冠をかぶせて、他の歯は全て自分の歯(天然歯)の場合には、定期的にそのセラミックの前歯の裏側と下の歯とのぶつかり具合を必ずチェックする必要があります。

 

何故なら、セラミックの方が天然歯よりも磨耗に対して硬いために、知らず知らずのうちに下の前歯と強い対合関係になってしまっていて、気づいた時にはいつの間にかかぶせたセラミックが少し前に出てきたように押されてしまっていたり、セラミックをかぶせた前歯の根っこにヒビが入ってしまっていたり、その歯肉の周囲がいつも炎症状態になっていたりと色々なトラブルが出て来ます。

 

ですから最低でも1年に1回、出来ましたら半年に1回はメンテナンスを受けて頂き、クリーニングとは別にかみ合わせのチェックをする必要があります。

 

私がメンテナンス時に必ず咬合紙と言われている青と赤のセロファン状の紙で色々噛んで頂いているのは上記の理由からなのです。

 

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.04.30更新

今回は患者様からのメールをご紹介します。

 

御家族の事、捨て猫のボランティア活動といつも全力で、どんなに辛い経験をされてもいつも前向きで笑顔を絶やさないとても素敵な女性です。

 

以下、患者様ご本人から許可を頂いていますので掲載します。

 

メール1メール2メール3メール4

 

いつも長文で暑苦しい院長コラムだと重々承知していますが、このようなお言葉を頂けて本当に続けていて良かった!!と思います。

 

どうしても出来るだけ皆さんには『歯科の本当のこと』を伝え切りたいが故に長い文章になってしまいますが、是非ともお時間があればこの連休中にお読み頂ければ嬉しいです。

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.03.29更新

2018年7月6の院長コラムに補足・改定して再掲載します。

 

2019年3月27日の朝日新聞に「インプラントでも歯周炎」という記事が掲載されました。

 

インプラント周囲炎

 

天然の歯の歯周病と同じく、顎の骨が溶けたり、歯茎が腫れたり膿が出る等の症状が出る「インプラント周囲炎」にかかり進行すると、インプラントは天然歯と比べて進行が早く、抜本的な治療法がなく、インプラントを抜くしかない

 

という記事です。

 

しかもインプラント治療から3年以上たった患者さん267人のうちの1割がインプラント周囲炎、約3分の1がその前段階のインプラント周囲粘膜炎になっていた(日本歯周病学会 調べ)ということです。

 

ここで重要なのは、このデータは歯周病専門医が診ていて、良いケアを受けている患者さんの調査なので、実際はもっと多いと考えられます。私も他医院で入れてもらったインプラントが周囲炎を起こしている患者さんを多く見てきました。良い口腔内ケアを受けているのに何故インプラント周囲炎に?の答えは後ほど…

 

『先生はテレスコープ推しみたいですけどインプラントはやらないのですか?』

と質問を多くされます。 もちろん個人的にはテレスコープの方がお勧めですが、 開業以来17年、歯科医師キャリアでも20年以上インプラントはやっています。

 

ただし、私の場合インプラント以外の他の選択肢を全て提示して、それでもインプラントを強く希望される患者さんにはインプラントが安全確実に行える状態なのを確認した後に、または安全確実に行える口腔内環境にした後にお受けしています。

 

その理由として臨床経験上『安心してインプラントが出来て、不安なく予後が保証出来る状態である人が少ない』からなのです。

 

そのことについてご説明したいと思います。

 

なお、当医院で採用しているインプラントにつきましてはHPをご覧下さい。


 失った歯を補う方法として、かつては取り外し式の義歯や、周りの歯を削って支えて固定するブリッジなどの方法で噛めるようにするのが一般的でした。

 

しかしながら、それらの方法の最大の欠点が失われた部分以外の歯の侵襲を伴うということでした。インプラントはそれ自体、失われた場所だけを基本的に考えて人工歯根のインプラント埋め込み手術をして完結します。ですので非常に優れた方法の一つとして現在かなり普及してきました。(ブリッジが長期的に持たないということではありません。)

 

ただしインプラントが期的に維持できるかどうかは、残念ながらいろいろな要因をクリアーして初めて達成されるものだということも分かってきました

 

当医院でのインプラントはもちろん他院で口腔外科専門医の手によって埋入され現在に至っている多数の種類のインプラントを見てきて、どういった場合にうまくいき、どういった場合に予後が安定しないのかという経験的なデータが蓄積されています。

 

失敗の原因が明らかになってくると、今度はその裏返しで成功の確率も上げられるようになるのが科学的というものでしょう。

 

さて、インプラント失敗の原因は以下に列挙しましたが10個あり、かなり多岐にわたります。

 

オペの術式の方法が未熟である…などといった術者側の要因はクリアーするのが当たり前なのでそういったことは排除して列挙してみました。 

 

① インプラント埋入場所の骨が少ないか骨がほとんどない場合。
② 術前の口腔内環境の状態があまりよくなく、歯周病の歯が他に多く認められる場合
③ 術後の感染症対策、口腔ケア対策が十分でない場合
④ 内科などで代謝性の疾患などの持病を抱えている場合
⑤ かなりヘビーなブラキサー(夜間も含めて歯ぎしりの強い人)
 喫煙者 ⇒ インプラント失敗の95%の原因!


⑦ 負担過重な上部構造となっている場合
⑧ 噛み込みが深すぎる噛み合わせ
⑨ 上部構造の噛み合わせの高さが十分に取れない場合
⑩ 左右の噛み合わせのバランスが不調和な場合
  

  ①から⑥までは基本的にオペ前からの対策とオペ後の継続的な対策が必要です。

ただし、①に関して人工骨や骨補填材を併用する方法も行われていますが、5年経過すると消失していくというデータも出ています。

  ⑦以降に関しましては、実は全て噛み合わせに起因している問題です。

 

そもそもインプラントにならざるを得なかったこれまでの状況が仮に噛み合わせの不調和に起因するものであると考えられるのであれば、インプラントをする前の段階でまず矯正治療や他の部分の補綴処置などで噛み合わせの不調和を取り除いてからでない限り、そこにまたインプラントを埋入してもオーバーロード(負担過重)により、インプラント周囲炎を引き起こし、長期的にはやがてロスト(インプラント喪失)してしまう結果となります。

 

②と③がちゃんと出来ていない場合はインプラント周囲炎になってしまうことは容易に想像がつくと思いますが、逆に術後の口腔ケアがちゃんと出来ているにも関わらずインプラント周囲炎になってしまう場合⑦~⑩が原因ということになります。

 

ですので、最も予後が良く安定している例は、歯周病でもない健康者の噛み合わせの方で突発的な事故などで歯を折って抜歯されてしまった場合など、本当にその部分だけを見て治療をすればよい場合です。こういった例はかなりの長期に渡って持つでしょうと言っても良いのかもしれません。

 

日常臨床ではこういった例はほとんどなく、一般的には事故等でない何らかの別の原因によって歯を失うことが多いのが現状です。

 

生活習慣病と呼ばれる歯周病であったり、元々の噛み合わせが悪かったり、形態的に不備がある大量生産的なかぶせ物が別の場所に入っていたり等々…実際そういった原因をもし完全に治してからでなくてはインプラントをしないということになると、巷で行われているかなりの数のインプラント症例は減るものと思われます。

 

というのは、一口腔単位で総合的に良好なかみ合わせにするためにはまず矯正治療の費用がかかりますし、インプラントを埋める以外の場所にバランスの悪い形態のかぶせ物が過去に入れられている場合は、現状そこが痛くなくてもそれを全部やり変える必要が生じることになるからです。

 

いずれにせよ費用と時間がある程度かかるからです。

 

現実的にそこまで費用をかけられないとか、時間がないといった方が多いので、許される範囲内である程度のリスク因子を抱えながらの中でのインプラント埋入ということになるのがほとんどのようです。

 

我々歯科医師が一番悩むところはそういった線引きをどこに設定するかということでしょう。

 

大学病院でも確実なリスク因子となる例えば喫煙習慣がある人のオペは基本的に最初の段階で除外されます。よく週刊誌沙汰になる一般開業医でのインプラントの失敗例などでは、恐らくこうしたところでの線引きが甘かったことによるものが起因しているからであろうと推察されます。

 

ですので、もしインプラントをお受けになる場合には担当の先生に、自分に今あるリスク因子が何なのか?をよく教えてもらって、理解した上で受けられるのが一番だと考えます。インプラントを他院で入れてもらったのだけれども噛み難いので当院で噛めるようにしてほしい… といったご相談や、その後の歯周病の治療やメンテナンスだけをして欲しいといった方がたまにお見えになりますが、これが本末転倒なのはご理解頂けると思います。

 

インプラントは素晴らしい治療選択の一つですが、その前にご自身がその歯を失うことになった本当の原因が何だったのか?

 

かかりつけの先生とよく話し合われて、納得したうえで治療を進められることを強くお勧めいたします。

 

 なお、当医院で採用しているインプラントにつきましてはHPをご覧下さい。採用した理由にご納得頂けると思います。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.03.22更新

皆さんは毎日デンタルフロスをしますか?

 

されない方は、是非ともフロスを習慣にしてみて下さい!理想的には1日2回ですが、最低でも寝る前に1回でもいいです。

 

前回の院長コラム「これが一番効果的な口臭対策だ!」でも、デンタルフロスを最低毎晩寝る前に1回でもいいから通してやることで歯間の澱んだ部分に酸素を行き渡らせ、口臭の原因となる嫌気性細菌(空気を好まない細菌)の絶対量を減らすことが大切であることを口臭予防の観点から書きました。

 

それではフロスを習慣化されている方に質問です。

 

 歯磨きとフロス、どちらを先にしていますか??

 

多くの方が、歯磨きが先 と答えます。確かに歯磨きをしてすっきりした後に最後の仕上げとしてフロスをするように歯医者さんでも教わってきたことと思います。

 

しかし、最近、米国歯周病学会(AAP)が

 

フロスを歯磨きの前に行うことが最も効果的に歯垢を除去する理想的な順序である』 つまり 

 

フロスが先

 

と臨床試験のデータを基に報告しています。フロッシングは歯間の細菌と残屑を解きほぐすため、次にブラッシングを行うと口腔内を水ですすぐ際にこれらの粒子を更に口腔内から取り除くことが出来ると研究者らは主張しています。

 

実は私も、同じ理由で、以前からフロス→歯磨きの順で自分の口腔内は行っていました。

 

しかし、順序も大切ですが、何よりも歯磨きもフロスも忘れずに両方やること、そして定期的に歯周病検査を受けることが最重要であることは言うまでもありませんね。

 

 

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

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