院長コラム

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2020.06.12更新

通常、噛み合う歯の咬合面の溝に出来てしまった虫歯を治す場合、本当に小さい範囲であれば、そこだけ削り 、コンポジットレジンという白い樹脂をその場で詰めて治す方法がよく用いられています。この方法の利点は何と言っても、その場で即日に治せてしまう上に、見た目も歯と同じく白く、しかも健康保険が利くので、結構患者さんには喜ばれます。

 

ところが、虫歯の大きさがある程度大きくなってきた場合、その部分を綺麗に詰めるのには限界が出てきます。特に隣接面と言って隣の歯との接触点にまで虫歯が及んでいる場合は、削った歯の型を取って、模型を作り、そこを補うためのかぶせ物を作り、再度お口の中の歯にセメントで着けて噛めるようにします。

 

大きさによって、小さいほうから順にインレー → アンレー → クラウンと呼び名がそれぞれ違います。

 

 

図1 インレー装着前の削られた歯の模型

 

インレー

 

 

図2 自費のセラミックのインレー(青線部は自分の歯とかぶせ物のつなぎ目)

 

セラミックインレー

 

つなぎ目

 

図3 クラウン装着前の削られた歯の形模型

 

クラウン

 

 

図4 自費のジルコニアのクラウン

 

ジルコニアクラウン

 

クラウンタイプの補綴物(図4)は噛む面全てを覆っているために、自分の歯とかぶせ物とのつなぎ目が、向かい合っている歯の噛み込む場所には存在しません。 従って、強く歯ぎしりなどをした際に、そこの隙間から欠けてしまう危険性は少ないのです。

 

一方インレータイプのかぶせ物(図2)の場合には上下の歯がこすれあうたびに自分の歯とかぶせ物とのつなぎ目に物が当たり続けるために、その部分が欠けてしまうことが起きやすくなります。そしてそこから虫歯になったり最悪のケースでは自分の歯が破折してしまうこともあります。特に、ハイブリッドタイプのインレーなどでは、その素材の強度不足と重なって、図5赤線のように欠けてしまう危険性が多々あります。

 

図5 破損したハイブリッドインレー

 

ハイブリッドインレー

 
 適切なかぶせ物の素材と形態はその方その方の噛み合わせのパターンや骨格の違いに合わせて決められるものです。小さな虫歯だと思っていたのにずいぶん削られてしまった…という話が出てきますが、上下の歯の通り道になる部分が残された自分の歯とかぶせ物のつなぎ目位置に来るような場合やがっちりとモノを噛む骨格タイプの方には、しっかりと削り込んでむしろクラウンタイプのように完全に覆ってしまうほうが、欠けたりしないので安全だからです。

 

歯ぎしりや硬いものを噛んだりした時には実際何十キロという普段考えている以上の負担がこの咬合面には集中するのです。

 

もちろん、何でもかんでも歯をいっぱい削ってクラウンタイプにした方が良いと言ってるわけではありません。

 

良く噛む側の歯なのか? 噛む力の強い方なのか? 噛み合わせのパターンが緊密な方なのか? 前歯にしっかりとした被蓋があり、犬歯誘導がちゃんとある噛み合わせのコントロールが出来ている方なのか?

 

向かいあっている噛み合わせとなる歯が天然歯なのか? 軟らかい素材を用いたかぶせ物なのか? はたまた硬い素材を用いたかぶせ物なのか? あるいは取り外しのできる義歯なのか?

 

等々…様々な事案を検討して設計を決めていくのです。

 

「削り過ぎない歯医者が良い歯医者だ…」と言われることがあります。確かにMI(ミニマルインターベンション)と言われるように、大切な歯はあまり削りたくはありません。しかし予後や長期的な耐久性なども考慮してそれに耐えられるように敢えて大きく虫歯を削っている、時にはマキシマムインターベンションも必要なんだということをご理解頂きたいと思います。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2020.04.21更新

25年歯科医師として沢山の患者さんのお口の中をを拝見させて頂いてきましたが、特にかぶせ物の噛み合わせの面(咬合面と言います)に関しては、特に健康保険の銀歯において、その多くが平らでのっぺりとしていて、反対側の噛み合う相手方の歯(対合歯と言います)とちゃんと噛んでいないか、逆にべったりと面で噛み過ぎているかのどちかのケースが多いことに気が付きました。

 

しかし最近ではこのような現象が残念ながら自費治療のセラミックやジルコニアにも多く見られるようになりました。しかも色調も透明感が無く、とりあえず白いというレベルのかぶせ物です。

 

先日、他院で入れたジルコニアの噛み合わせがしっくりいかないということで来院された患者さんの口腔内の写真です。 1本2~3万円とジルコニアとしては超破格の値段だったとのことです。

 

中国製

 

素人が見てもいかにも作り物と分かるレベルだと思います。後述しますが明らかにメイドインチャイナです。

 

ちなみに、これが1本10万円~の日本製のジルコニアの写真です。

 

日本製

 

日本国内で歯科技工士の国家資格を取得したテクニシャンがちゃんと日本国内で製作した場合、そのコストは1本2万円を越えます。それを2~3万で患者さんにチャージするということは到底無理なのはお分かりだと思います。つまり2~3万で十分にペイ出来るにはどうしたらいいか?その答えがメイドインチャイナなのです。

 

「メイドインチャイナだろうが安くて白い歯が入るならそれでいいよ」という患者さんもいらっしゃるのも事実です。しかし、きちんとしたかぶせ物にはその完成までの工程にちゃんとした意味、大きな差があるのです。

 

 

 歯の形は個人個人によって微妙に違っており、その凹凸には大きな意味が隠されているのです。

 

その形と位置は顎の成長とリンクしながら出来上がっていきます。その凹凸の表面のことを私達は咬合面と呼びます。

 

私達は食事する時の咀嚼効率を高めるためには歯に付与するその咬合面の彫り込みの角度を出来るだけ急傾斜にした方が良いのですが、その角度をあまり急にし過ぎると、今度は歯を横に動かした時に干渉を起こし易くなってしまうので、顎に大きな負担がかかり易くなってしまうという弊害が起きてしまいます。

 

逆に咬合面に付ける凹凸の角度を緩やかにすると歯を動かした時に干渉はし難くなるのですが、歯そのものに対しては物を噛み込むたびに負担過重になって長期的には歯槽膿漏になってしまうのと、顎の位置が不明瞭になり、それを支える顎関節の靭帯が緩んでくるといった危険があります。

 

そのために広範囲に渡り歯を失ってしまった場合それを再現するためには単純に勘だけに頼って作られたかぶせ物が今一ついつまでもしっくりこないといったことが起きてしまいます。

 

しっかりとした手順で作られた歯の咬合面はあらかじめその方個人の顎の動く角度を考慮に入れて【下の写真】のように注意深くワックスといったロウを用いて作られていくのですが、それにはとてつもない手間隙がかけられてる事実があまり知られていないのが現状のようです。実は自費治療にかかるコストの大部分はこの手間暇の部分なのです。

 

ワックスアップ

     

自費治療で機能を重視して作られる歯がどうして高くなってしまうかには、こうした背景が大きいのですが、一般的には材質の性状(ゴールドなのか、セラミックなのか、ジルコニアなのか、プラスティックなのかといったものの違い)だけで比較がされているのが現状なので残念です。

 

近年では「口腔内に金属を入れない」つまり『メタルフリー』が当たり前の時代です。しかし治す本数が多い患者さんのために、ジルコニアやセラミックのかぶせ物は医院によってはかなり安い物も出て来ており、一番最初の写真のようなメイドインチャイナのかぶせ物もたくさん拝見してきましたが、長い目で考えるとかなり危険と言えるでしょう。

 

長期的にはこの事が原因で引き起こされている歯槽膿漏や顎の違和感、最悪の場合顎関節症がかなりあるものと個人的には危惧しております。ですから是非とも値段だけで判断しないように頂きたいと願います。

 

そして、今回の新型コロナ禍で“チャイナリスク”が表面化しました。これまでは人件費が安く人手を確保できるなどの理由から依存していた“メイドインチャイナ”や“チャイナマネー”“中国人労働者”などに頼らないようにしよう、というのが、“コロナ後”の世界の大きな流れになるはずです。

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2020.02.17更新

噛み合わせと矯正をメインに25年臨床に携わっていてハッキリ言えるのは、実は一番危険な噛み合わせは「開咬 かいこう」であるということです。

 

「開咬」=「前歯が噛み合わず奥歯でしか噛めない」という状態を指します。

 

「開咬」=「オープンバイトとも言います。

 

op

 

① 前歯で食べ物を噛み切ることが出来ない。

② 奥歯しか当たらないので、奥歯に負担がかかって痛い。

 

などの症状が見られます。また奥歯への負担だけでなく、

 

③ 呼吸、姿勢、発音など様々な問題が生じます。

 

 

当医院では開咬の原因は「人間の成長発育の段階で生じた顔の骨格と奥歯の高さの不調和」にあると考えています。

 

詳しい話はここでは省きますが、ざっくりと言うと「奥歯の噛み合わせの悪さ」だと思って下さい。

 

これはGEAWシステムによる矯正治療をしないと治すのは難しいと考えます。

 

開咬の原因は「舌癖=舌を前に出す癖」とも言われていますが、私の臨床経験上、舌癖が原因のケースはほとんどありません。やはり、噛み合わせを崩す一番の原因は奥歯にあると言って間違いないと思います。

 

ここで誤解してはいけないのが、開咬の原因が奥歯の噛み合わせの悪さだからと言って、奥歯を削ってしまうことです。奥歯を削ると逆に開咬が酷くなります!!奥歯を削る行為は奥歯の噛み合わせをより悪くするのです。

 

開咬で奥歯を削ってしまい、開咬がより酷くなった方を何人も見てきました。開咬の改善のために、絶対に奥歯を削ってはいけません!

 

奥歯の噛み合わせの悪さの改善にはGEAWシステムによる矯正治療で奥歯の位置自体を変える必要があります。

 

開咬の方は奥歯を削る前に一度ご相談ください。GEAWシステムによる矯正については是非とも当医院ホームページ内の矯正治療の箇所をお読み下さい。

 

是非とも、小臼歯の抜歯をしない開咬治療、外科手術をしない開咬治療という選択肢を一度ご検討頂ければと思います。

 

 ちなみに皆さんは「8020運動」という言葉をご存知ですか?

「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。

 

現在、8020を達成した方は51.2% (平成28年 歯科疾患実態調査)で実に2人に1人は達成しているという驚くべき結果が出ています。

 

約20年前の平成5年の調査では約10%でしたので、日本人のお口の健康は明らかに向上しているようです。

 

そこで気になるのは、8020を達成した方がどんな噛み合わせなのか?

 

ある文献によると、ほとんどの方が正常咬合、つまり骨格的に上下の顎にずれがない噛み合わせだったようです。

 

そして、受け口、開咬の方はいなかったとのことです。

 

つまり逆に言うと、受け口、開咬は歯への負担がとても大きく、将来的に歯を多く失う可能性の高い噛み合わせだということになります。

 

そのため、歯を失う主な原因である虫歯や歯周病のリスクを下げることが出来ないと考えています。

 

先ほども載せましたが開咬(かいこう)の方の写真です。

 

op

 

奥歯しか噛んでおらず、歯への負担が非常に大きい噛み合わせです。

年がら年中奥歯の治療を繰り返していて、また、前歯が開いているので、発音しずらいとのことです。

 

op2

 

レントゲン写真を見ても奥歯が大々的に治療してあることがお分かりになるかと思います。

 

この患者さんは以前大学病院に相談に行ったところ、外科手術をしないと治せないと言われたそうです・

 

当医院では、重度の開咬症例でも、外科手術なし、小臼歯の抜歯をしないで治療を行っております。

 

↓ 実際の治療後の写真です

op3

 

 45歳の女性。治療期間約1年。矯正治療のみ(外科手術はしていません)

 

また、これも25年矯正治療に携わっていて痛感しているのですが、開咬の場合素人目からすると歯並びが悪いようには見えないので、なかなか矯正治療の必要性について説明しても理解が得られないことです。

 

何度も何度も奥歯の治療を繰り返しているだけではまだダメで、いよいよ奥歯の抜歯が必要となったり、顎関節症状が出て初めて耳を傾けてくれます。

 

矯正治療で開咬を治療することで、少しでも8020を達成する方が増えることを願っています。

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2020.01.21更新

最近の若い人は顎が小さく尖っていて、その小顔がカッコいいとさえ言われています。

 

しかしその反面、歯並びが悪くなり、舌の位置異常を招き、結果健康に悪影響を与えるということを知っていますか?

 

舌の位置異常は喉が塞がれた状態になる場合が多く、身体は酸素不足になって全身に様々な悪い症状を引き起こすのです。

 

つまり舌は生命に直結する常用な器官と言えます。

 

舌構造

 

舌正常

 

① 筋肉や筋力がついていない舌。歯列の中に舌は沈下し、舌の付け根の部分はかなり喉に落ち込んでいる。

 

沈下舌

 

沈下舌2

 

 

② 歯並びが悪いため口の中が狭くなり舌にストレスがかかって、歯型が付いてしまっている。

 

舌ストレス

 

舌ストレス2

 

③ 舌にストレスを与える上顎の歯列

 

上顎

 

 舌にストレスを与える下顎の骨隆起

 

骨隆起

 

⑤ 噛み合わせが深いため、噛んだ時に下の歯が見えない。舌の部屋が上下的、前方から狭くなるため、舌は喉に落ち込み酸素不足となる。

 

噛み合わせ深い 

 

噛み合わせ深い2

 

このような舌や歯並びの異状で起きる酸素不足により、次の症状が起きます。

 

① いびき

② 集中力が出ない→お子さんの学力低下!早期矯正治療が大切!

③ 寝起きが悪い

④ 冷え症

⑤ 肩こり・頭痛

⑥ 生理不順

 

最後の写真の患者さんは矯正治療を行い、上記①~⑥の症状がだいぶ改善しました。

 

矯正後

 

皆さんもこうした症状があるのなら。一度専門医の診断を受けてみることをお勧めします。

 

今回は舌の位置異状の観点から矯正の必要性を書いてみました。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.12.02更新

虫歯になった場合、確実に悪い箇所を削り取り切ることが基本中の基本であります。

 

一時期、わざと虫歯を残しそこに特殊な薬を塗ったり、セメントを敷いたりして一定期間経過後に無菌状態になったのを確認後かぶせ物や詰め物を入れるという治療法が流行りましたが、現在では再び、悪い所は全て取り切るという治療が主流に戻りました。

 

ところが多くの歯質を削られたせいで、逆にいつまでも歯がしみてしまう状態が続き、虫歯の治療をする前よりも治療後のほうがしみるのが強くなってしまった…..と言われる患者さんも中にはいらっしゃいます。

 

また、他院で既に虫歯治療され終了したはずの歯がしみるのが強くなったと来られる場合もあります。

 

確かに悪いところを取りきって治したはずなのに、何でまだしみるの?という疑問が出てくるのは当然です。

 

しかも治療前よりもその症状が強くなったしまった場合は特にそう思う事でしょう。

 

歯は外来刺激を受けると、神経(下図 赤部分)が防御反応して象牙質との間に2次象牙質というバリアを作ることにより刺激を遮断するのですが、これが出来るまでに時間がかかるのです。、特に神経に近いところまで侵襲を受けた場合は回復しようとするまでに相当時間がかかります。早くて2週間、遅ければ2か月位かかるので、その間治療したはずの歯がしみる状態が続くというわけです。

 

神経

 

そうなってしまい患者さんとトラブルになってしまう事態を嫌うが故に先生によっては、本当は取らなくても良かったかも知れない歯の神経を最初から取ってしまうこともあるのが現状です。


当然そうすることでしみることは無くなるので、患者さんによっては安心するのも事実です。

 

実際にぎりぎり神経を残せたとしても、その後に健康保険の銀歯やプラスティックなど、適合が悪い詰め物やかぶせ物を入れたが故に、再びしみるようになり、やがてズキズキ痛んでせっかく残した神経を取らなければならないことも結構あります。

 

 

虫歯2

 

現行の保険制度ではなんとか神経を残せたのに、その後に短期間で神経を取らなければならなくなった場合、医療機関側が無償でやらなければならないペナルティが実は多いのです。しかも神経を残すということに対する保険点数よりも神経を取るということに対する保険点数のほうが何十倍も高いのです。

 

極端な話、例えば、心肺停止して救急搬送された患者さんをなんとか蘇生させたのに、退院後数か月で亡くなられたら、その時の蘇生処置に対して頂いた医療費を国に還さなければならないということです。

 

そうなると、あらかじめ健康保険の銀歯やプラスティックを希望されていて、虫歯が深い場合、神経を取ってしまうという医療機関側の立場も理解して頂けると思います。

 

 

これ以上のことを言うと色々と物議を醸すので止めておきますが、歯の神経はあった方が、神経のない失活歯よりも絶対に丈夫で長持ちします!

 

そのため、私はまずは神経を残すことに全力を注いで治療しますので、どうしても神経保存後はせっかく全力で残した神経を守る為に自費ベースのものを推薦することをご理解下さい。そして例え自費のかぶせ物が入ったとはいえその後もしばらくはしみる状態が続くことがある事もご理解下さい。

 

以前のコラムでも書きましたが、自費治療は手間暇がかかるので決して医療機関側が保険治療に比べて実入りが多いことはありません。

 

そして何よりも、

 

① 出来るだけ神経を残す

 

② 神経が残せたらその後は良質な素材のかぶせ物を選ぶ

 

ことが、結局

 

③ ご自身の歯を守り快適に長持ちさせる

 

ことになるということを繰り返し強調致しますし、ご理解頂きたいと思います。

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.11.05更新

 皆さんは出来ることなら一生自分の歯のままで居たいですよね?

 

入れ歯(歯科用語で義歯といいます)にはなりたくないですよね?

 

最近ではインプラントの普及により義歯を入れている方は非常に少なくなりましたが、奥歯に支えることの出来る歯が既に無くなってしまった場合や、あまりに抜けてしまった歯が多い場合などインプラントにするには難しいケースの場合は義歯を選択する場合も少なくありません。糖尿病や血液性疾患などの持病がある場合も同じです。喫煙される方は論外です。

 

またインプラントは保険が利かないいわゆる自費治療になるため、懐事情により義歯を選択せざるを得ない場合もあります。

 

当然、固定式のかぶせ物で対応出来るうちはその方が良いに決まっていますが、然るべき時に適切な処置を施さなかったために、そのツケが回ってしまい、結果的に多数の歯を失い、義歯になってしまわれる方もいらっしゃいます。

 

義歯は歯茎の粘膜を広く覆ってしまうために、その違和感の強さはそれまでの固定式のかぶせ物の比ではありません。例え健康保険の固定式のかぶせ物であっても、それで済んでいた場合はまだ良かったのですが、歯と歯茎のお手入れを怠ったあまり、歯を失い、義歯になってしまった場合は、口腔内の環境の大きな変化に、違和感のある義歯を入れていられない人もかなりいらっしゃいます。

 

義歯

 

私どもが皆様にご提案する治療プランは決して安くはありません。場合によっては「高いものを勧めてきやがって」と思う方もいるかも知れませんし、実際に街角の井戸端会議で「歯医者さんはお金がかかる」という話は良く耳にします。

 

しかしながら、長期的になるべく快適に口腔内の状態を維持して頂けるためにはどういったプランや設計のモノがその方にベストであるのかは多くの臨床データからエビデンスに基づいてご提案出来ます。

 

念のため申し上げておきますが、自費治療が儲かると思ったら大きな誤解です。何故ならそれに関わる技工士さんへのチャージ、材料費、そして治療時間などをトータルして考えると、正直健康保険のモノを多くこなしたほうが利益率が高いくらいです。

 

義歯2

 

 

 

いつも皆さんに申し上げていますが、自費治療のモノはその時は値段が高いと思われるでしょうが、口腔内で長期間快適に機能することを考えると結果安く上がることになります。安上がりで見栄えもよく長期的に安定している健康保険の治療というのは、残念ながら無いのが現状です。抜歯という最悪の結果への近道になってしまう場合も多くあります。

 

ご自身の根がある歯は二度とお金では買い戻せません!

 

安物買いの「歯」失いにならないように、今日も明日も全力で説明させて頂きます。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.10.08更新

私どものクリニックでは初診時やお久しぶりの患者さんには出来るだけお口の中全体が総覧出来る、パノラマレントゲン写真を撮らせて頂いております。

 

中には「痛い所はどこも無いから」とかの理由で、断られる方もいらっしゃいます。

 

しかし

 

自分では何でも無いと思っていても年々体力は変化していきます。口腔内の環境も知らぬ間に大きく変化している可能性があります。

 

特に 虫歯は初期の段階では症状があまり出ない、というか全く気が付かないことの方が多いようです。

 

パノラマ

 

初診でクリーニング希望で来院された患者さんの左下の歯の写真です。ご本人には何の自覚症状も無いとのことでこの写真をお見せしても虫歯だったとは分からなかったようです。

 

パノラマ2

 

 

一方これはパノラマレントゲン写真です。このレントゲン写真から

 

1.左下奥から2番目の銀歯の下に神経に達するレベルの大きな虫歯があるのが分かります。

2.左上前から2番目の歯の後ろ(犬歯との間)に隣接面虫歯があるのが分かります。

3.左上奥から2番目のかぶせ物の中は根の治療済みですが、根の先に黒い影8根尖病巣)があるのが分かります。

4.上下共に親知らずが埋まっているのが分かります。

5.左下1番奥の歯の詰め物の中が虫歯になっているのが分かります。


これらのことは、外見だけではなかなか分からないものです。

 

虫歯は細菌感染症です。弱い箇所から、磨きの悪いところから攻撃を開始してきます。最初は気付かれないように静かに攻撃しながら徐々に病巣を拡大していきます。

 

痛くないのに治療を勧められた?必要ないのに写真を撮られた?…といった話をよく聞きますが、痛くならない前に虫歯を見つけてもらって治療してもらって逆に良かったですね!…ということになります。

 

たいていは何らかの症状が出てから来院される方が圧倒的に多いので、それでは遅いということになります。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.09.02更新

「親知らずは抜いた方がよいのか、抜かない(残した)方がよいのか?」

 

我々歯科医師の間でも意見が大きく分かれるテーマの1つです。また患者さんの間でも先生によって意見が違うので「本当のところはどうなの?」と、知りたいことの上位に必ず上がってくるテーマです。

 

以下、一般臨床に加えて噛み合わせと矯正をメインにやってきた私なりの見解をお伝えしたいと思います。

 

今回は『抜かない(残した)ほうがよい親知らず』篇です。

 

①親知らずが歯並びに悪影響を与えずにちゃんと機能している場合

 

智歯

 

私の臨床経験上、例え親知らずが生えきっていたとしても、上下の親知らず同士で噛み合っていたとしても(特に現代人の顎は小さい関係上、臨床上少ないですが…)、その代償として前歯(特に下顎)の並びが凸凹してしまったり、噛み合わせが奥歯しか当たっていなかったりして、特に矯正を含めて全体的な治療が必要となった場合は先ずは親知らずを抜歯することからスタートすることが多いです。

  

しかし、この写真の場合は

 

智歯2

 

このように上には親知らずが無く、下の親知らず8番が対合側の第二大臼歯7番としっかり噛んでいるため抜かない(残した)ほうがよい親知らずになります。

 

 

親知らず 干渉

 

しかしこの写真のように下には親知らずがちゃんと生えていますが、向かいの上には無い場合、下の親知らずは徐々に上に向かって延出しててきます。そうすると噛んだり、顎を動かしたりするときにこの延び出た親知らずと上の7番に干渉が生じてしまい、最悪の場合顎関節症を引き起こすことがあるため抜歯するほうが望ましいという訳です。

 

親知らず干渉2

 

 

 

親知らず 干渉3

 

 この写真の場合は、上には親知らずが有りますが下には有りません。確かに下の7番と干渉はしませんが、この親知らずは下に向かって延出↓してくるため、いずれ顎を閉じただけでも下の歯茎を噛んでしまいます。そうなると痛み止めは役に立たず、最悪の場合、機械的刺激により歯肉癌に発展してしまうことも十分に考えられます。従って抜歯した方が賢明です。

 

親不知干渉4

 

②抜いた後のリスクが明らかに大きい場合

 

智歯3

 

下顎には下顎管という下顎の知覚を司る神経が走行しています。横を向いて埋まっている親知らずと下顎管が非常に近接していて無理に抜くことによってその下顎管を損傷してしまう可能性が高い場合、つまり抜いた後のリスクの方が大きいと判断した場合は抜歯しない選択をします。

 

下顎管

 

この写真の場合は、埋まっている親知らず(埋伏智歯)が下顎管(緑線)と非常に近接していて、しかも親知らずの位置と方向から考えて(CTで確認することもあります)、特に全体に大きな影響を及ぼさないであろうと判断し、抜歯はしないことになりました。

 

ちなみに、埋伏智歯で抜歯する必要がある場合は、抜歯後の下顎管へのリスクを説明して抜歯するか否かの選択をして頂き、抜歯される場合は大学病院の口腔外科を紹介しますので安心して施術を受けて下さい。

 

③将来親知らずを7番として代用可能な場合

 

代用

 

写真のように親知らずの手前の7番が神経の無い歯で将来的に長持ちしないだろうと診断出来た場合、あえて7番を抜歯して、8番が自然に抜いた7番の位置に来るのを待つか、矯正治療を併用して7番の位置に誘導するという選択もあります。

 

代用2

 

 ちなみこの場合、下顎の親知らずは明らかに7番に悪影響を与えており、下顎管にそれほど近接していないため、親知らずを口腔外科専門医に抜歯依頼することになります。

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.08.20更新

「親知らずは抜いた方がよいのか、残した方がよいのか?」

 

我々歯科医師の間でも意見が大きく分かれるテーマの1つです。また患者さんの間でも先生によって意見が違うので「本当のところはどうなの?」と、知りたいことの上位に必ず上がってくるテーマです。

 

以下、一般臨床に加えて噛み合わせと矯正をメインにやってきた私なりの見解をお伝えしたいと思います。

 

今回は『抜いたほうがよい親知らず』篇です。

 

前から数えて8番目の歯を第三大臼歯、通常「親知らず」と言います。

 

その多くが、顎の大きさに対して元々の歯列の中に納まりきれないために完全に生え切って来ないか、横に傾いて出かかった状態で中途半端に止まっているかのどちらかです。

 

皆さんもご存じの通り、歯は通常保存してなるべく抜かないように治療するものですが、親知らずに関してはむしろその逆の場合が圧倒的に多いのは、

 

①中途半端な位置であることで不潔になりやすく歯ブラシが届きににくく虫歯になりやすい。また親知らずが邪魔でその手前の歯までも連鎖で虫歯になってしまう。限局性の歯周病がその場所に起きて歯茎が腫れたりする。

  

②萌出して来ようとする力が加わって、その手前の歯から徐々に歯並びと噛み合わせがずれてくる。

 

からです。

 

では実際に①の例を見ていきましょう。

 

左奥の歯が痛い!

 

親知らず

 

写真は左奥の歯が痛いとのことで来院された30代男性のレントゲン写真です。

 

横に向いて生えているのが親知らずです。手前の第二大臼歯はその間が磨けていなかったために、虫歯になってしまい、レントゲン写真でも歯髄(歯の神経)の方まで虫歯の黒い影が進み始めているのがお分かり頂けると思います。こうなってくると、治療方法としては当然まず第二大臼歯の根の処置(神経をとる作業)を行うのですが、その後、このままの環境ですと、横に向いている親知らずとの間から虫歯が再発するリスクが残ってしまいます。

 

親知らず3

 

 

 

第二大臼歯

親知らず2

 

実際に第二大臼歯の根管治療をするために上から穴をあけた状態の写真ですが、このように親知らず自身も虫歯になってしまっているのがお分かり頂けると思います。

 

この症例のように横を向いている場合は、放置した場合再度その部分に汚れが溜まっていくリスクは無くなっておらず、また絶えず後ろから押し続ける力は加わり続ける()ので抜歯という選択が明らかに正解であります。

 

しかしこの症例とは異なり、第三大臼歯が上下とも横向きでなくしっかりした方向にと生えていて、噛み合っていたなら親知らずの手前の歯がこのように虫歯になることはあまり無いと言えます。しかし現代人では親知らずがしっかりとした方向で上下かみ合っている例は私の今までの臨床経験からあまり見たことがありません。ほとんどの方が半分だけ出ている状態だったり、横を向いて手前の歯を押している親知らずのどちらかの場合です

 

要は、現状どんなリスクが親知らずによって生じているかを見極めたうえで天秤にかけて、抜歯するか否かを決めれば良いということになります。

 

矯正治療などにおいては、親知らずは基本的には抜歯されることが望ましい場合が多いです。その理由は、のように混みあっている後ろの歯の状態が結果的に前の方に押し出す力となって歯並びを悪くしていることが多いからです。

 

次回は『抜かないほうがよい親知らず』篇をお届けします。

投稿者: アクアデンタルクリニック

2019.07.19更新

「矯正治療ってガチャ凹の歯並び、つまり審美的に見た目を改善するのが目的ではないんですか?」

「もういい歳ですが、今からでも矯正治療出来ますか?」

と、よく言われます。

 

確かに、矯正治療といえば見た目を良くする為だけの治療であるとか、若いうちだけにする治療であると考えられがちです。

 

しかしもう一つの目的、いや本当の目的は歯の寿命を延ばすために矯正治療をするという事なのです。

 

歯は本来前歯と奥歯に分けてそれぞれの機能分担をし、連携し合って顎の動きを制御しています。

顎をあちこちに動かした時に歯並びに問題が無ければどの歯にも無理な力が偏って加わることはなく安定した状態を維持出来ますが、そうでない場合には奥歯ないしは前歯への負担が偏りがちになり、結果的にはどこかの歯への過大な力のために歯の表面が欠けて虫歯になったり、知覚過敏になったり、それらが小さなほころびとなり、拡大し、神経を取られてかぶせ物になり、最悪の場合は歯を失い入れ歯になってしまっている人が結構多いのです!

 

実のところ、毎日来院される患者さんの大半の方がこうした前歯と奥歯のしっかりとした機能分担・連携がどこか欠落しているために引き起こされた症状を主訴としています

 

つまり、本当の原因は歯列不正によるところがかなりあるということなのです。

 

 

① 前歯のガイドが急峻すぎるために顎の動きがスムーズにいかないために顎が痛くなって矯正をしたケース

 

矯正前 矯正1

 

矯正後 矯正2

 

 


② 奥歯しか噛んでいない為に臼歯の知覚過敏が引き起こされ、その治療のために矯正することになったケース     

 

矯正前 矯正3

 

矯正後 矯正4

投稿者: アクアデンタルクリニック

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