目黒区祐天寺のアクアデンタルクリニック院長の仁藤博之です。
今回のコラムでご紹介するのは、子どもの頃から悩んでいた受け口を改善したいとのことで青森県から来院された20代の男性です。
矯正相談に何軒かの歯科医院に行かれそうですが「絶対に外科手術が必要!」と言われて、仕事柄入院し休むわけにもいかず矯正治療を諦めていたとのことです。
【治療前】
重度骨格性下顎前突(重度の受け口)の場合、通常外科手術をすることで改善できます。
しかし、手術への肉体的精神的負担、長期間の入院、食事の制限などを考えると矯正治療を諦めてしまう方が多いようです
前にも書きましたが、矯正治療には
①咬み合わせの改善=機能面の改善
②顔の見た目の改善=審美面の改善
という2つの目的があります。
ここで重要なのは、患者さんの審美面(見た目)と機能面(お口の機能改善)への要求の優先順位とバランスを考えることです。
確かに上の写真、特に横顔のレントゲン写真を見ると、ほとんどの先生が「①②両方において間違いなく外科手術が必要!」と言われるでしょう。
しかし今回の患者さんも外科手術をして見た目の改善をするほどまでは望んでおらず、私の診断でも外科手術なしでも何とか治療可能と判断しました。
ただし、かなりの難症例であるために、GEAWシステムに先立って拡大床を半年ほど使う必要があるために治療期間は3年以上かかる旨説明しました。
【主訴】受け口を治したい。他医院数か所で重度の受け口のため顎切り外科手術が必要と診断されたが外科手術無しで出来る範囲内で治療したい。とのことで当院を受診された26歳の男性。
【治療方法】拡大床を用いた後に新素材ゴムメタルを使用したGEAW(ギア)システム用い、顎切り外科手術しないで治療を行いました。
【治療期間】拡大床6か月→GEAW2年9か月、トータル約3年3か月 *もう3か月ほどかけて仕上げたかったのですが海外転勤となってしまいました。
【治療後】手術無しでこれほどまで綺麗に治るとは思っていなかったので、とても満足との言葉をご本人より頂きました。
【治療費用】診査・診断および拡大床、リテーナー(後戻り防止装置)も入れて:約110万円
【治療に伴うリスク】1日20時間以上顎間ゴムなどの患者さんの協力が必要です。 歯の移動に伴う痛みや口内炎などがあります。 矯正期間中は虫歯、歯周病のリスクが高くなります。歯の移動に伴う歯肉退縮や歯根吸収が起こる事があります。
「外科手術をしないで治療した場合、顔の見た目が変わらないしもっと悪くなる」と言われたという患者さんがいらっしゃいます。
今回の患者さんの見た目の変化も併せてご覧ください。
【治療前】
【治療後】
確かに、横顔の写真の変化を見ると外科手術をしたほうがより変化が分かりやすかったことでしょう。しかしながら前にも何度も書いてますが、
*その人その人の本来の骨格形態の範囲で出来るだけ機能面と審美面のバランスを取ることなら矯正治療だけで出来ますが、骨格形態を超えるレベルでの審美面を望むならそれはもはや外科手術が必要つまり美容整形の範疇であるということです。
あなたは見た目と機能、どちらを優先しますか?
*開咬(オープンバイト)でお悩みの方、
*他医院や大学病院で第一小臼歯抜歯が必要と言われた方、
*他医院や大学病院で外科手術が必要と言われた重度の受け口の方、
*他医院や大学病院で難しいと言われた難症例の方、
まずは一度ご相談ください。
東京都目黒区祐天寺 アクアデンタルクリニック TEL 03-3713-4443