奥歯に「しみる!腫れる!!詰め物やかぶせ物がしょっちゅう取れる!!!」など何らかのトラブルを抱える方が非常に多くなっています。
そんな時にただそこだけ「しみ止めを塗ったり、膿を出したり、詰め物やかぶせ物をやりかえたり」で終わりにされていませんか?
実は!!
そのような方の多くは顎を横に動かした時に犬歯(糸切り歯、前から3番目の歯)のしっかりとしたガイドがないために奥歯のかみ合わせ時のタイミングに無理がかかり、奥歯へのトラブルの原因となっていることがよくあります。
「犬歯はすべての歯の中で根の長さが一番長く横からの力に十分耐えられるように解剖学的にも成り立っている歯です。ですので、奥歯を守る上でも犬歯の役割は非常に大きいのです。」
ご自身の上下の歯を合わせた状態でゆっくり左右横に動かしてみてください。もし犬歯があたっていないで奥歯の方から先にあたってしまう状態であったりすると、一番最初に書いたような何らかのトラブルの兆候が出てくることが多いのです。
とくに、虫歯でないのに奥歯がしみてきていたり、歯と歯茎の間の楔状の切れ込みが生じてきたり、顎がしっくり来なかったりとその現象はさまざまです。
最近では歯並びがもともと悪く、犬歯の位置が初めから上のほうにあって、まったく機能していない方も多く見られます。こんな方はとくに年をとってからは要注意です。奥歯に対しての力のコントロールができていないために長期的にやられやすくなってくるからです。
ちなみに「八重歯ちゃんで可愛い」などと思うのは日本人だけで海外では「ドラキュラの歯」と言われているくらいです!!見た目だけならまだしもこのようなトラブルを引き起こすのだから余計に考え物ですね
多少であれば不足分をもり足して治せますが、実際に歯をしっかりした位置まで持ってこないと無理な場合も多く、やはり矯正治療の必要性が出てきます。
ただし、犬歯のガイドがただあれば良いのではなく、その人の顎の関節の解剖学的な形態に非常にリンクして出来上がっていることが多くの研究データからわかってきています。
ですから、大掛かりなかぶせ物や義歯、ブリッジなどをする場合には必ずといってよいほど、その方の顎の動きから得られるデータが必要となってきます。そのようなデータなしで作られてくる物は、たとえ見た目が綺麗に仕上がっていたとしても長期的に安全に機能していかないわけです。