院長コラム

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2021.07.26更新

近年、ホワイトニングと並んでマウスピース矯正を2大看板にして新規開業する医院が増えてきました。

 

マウスピース

 

老若男女問わず、昔よりも圧倒的に健康と美に対する意識が高くなっていることを考えると、この2つはドンピシャの治療法と言えますし、希望者が増えているのは大変喜ばしいことです。

 

しかしながら、マウスピース矯正に関して当医院にセカンドオピニオンを求めてくる方が増えてきているのですが、残念ながらその適応範囲を超えている方が多いと感じています。つまり、マウスピース矯正では治らないか治ったとしても4割にも満たない仕上がりになることが予想される例です。

 

もっと困るのが、他医院でマウスピース矯正中で1年以上経つけども1日20時間以上ちゃんと装着しているけども、全くゴールが見えないという方も相談に見えるようになってきました。そのほとんどが今、巷で一番爆発的に流行っているマウスピース矯正の会社のもので、費用もワイヤー本格矯正よりも高いものです。期間も下手するとワイヤー矯正よりもかかるのでは?という症例に対して用いられています。しかし私見では仕上がりは上手くいっても6割程度だと思います。

 

当医院「のホームページの矯正治療の項目にも書いてありますが、

 

人の顔の骨格形態は、上顎に対する下顎の位置関係により、大まかに「クラスⅠ〜Ⅲ」に分類されます。

 

クラスⅠ:上顎・下顎のバランスが良い
クラスⅡ:上顎に対して下顎が後ろ寄り(出っ歯の傾向)
クラスⅢ:上顎に対して下顎が前寄り(受け口の傾向)

 

このうち、マウスピース矯正が得意とするのは「軽度のクラスⅠ・Ⅱ」の治療です。


これらのタイプの方は、複雑かつ違和感の多い従来の矯正装置をあえて選ぶ意味は「ほとんどない」と言えるでしょう。
一方、中等度以上のクラスⅡ、クラスⅢの場合は、GEAWなどの本格矯正のほうがより安全で確実です.

 

もっと言うと、軽度のクラスⅠ・Ⅱ症例の上下顎、特に下顎前歯の叢生(ガチャガチャ)に対して最適応と考えています。

 

またその際の期間と費用は3か月~半年、20~30万円程度がマウスピース矯正の適正範囲内だと私は思います。

 

ところが、クラスⅢや中等度以上のクラスⅠ・Ⅱや開口(オープンバイト)も治る!という触れ込みでワイヤー矯正よりも費用がかかるマウスピース矯正をやってしまうからトラブルになってしまうのです。歯の表面にアタッチメントという歯と同じ色の突起をつけて、きちんとコンピューターでプログラミングしたマウスピースだからワイヤーと同じレベルで治せる!ということですが、現在のところ仕上がりは上手くいって6割程度だと私は思います。

 

ただし、年単位で期間がかかってもいい、費用もワイヤー矯正よりもかかっていいから、とにかく目立たない装置がいい!ワイヤーは絶対に嫌だ!という方も多いのは事実ですから、費用・期間・ゴールを担当医と話し合ってちゃんと納得してから始められるのがベストだと思います。

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック