今回は私が当医院で「口腔がん検査」を導入するきっかけとなったとても貴重な体験をご紹介いたします。
私の大切な愛犬「コマ」(トイプードル)に起こった奇跡についてです。
昨年の2017年12月13日、愛犬のトイプードル「コマ」が歯肉の悪性腫瘍(扁平上皮癌・口腔がん)で余命3カ月と細胞組織検査の結果を受けて宣告されました。獣医さんからは、「悪性の歯肉癌はタチが悪く、抗がん剤治療や放射線治療をしても、どんどん腫れて来て、出血も多く、痛み、食べられなくなるので、見ていて可哀相になります。
ただ…癌の箇所が上顎の前歯の歯肉辺りなので転移が少ないため、手術で癌を取り除けば、少しは延命が可能かも知れないです。とは言っても、鼻と上顎が無くなるので、見た目と食事にハンディを背負うことになります。最悪の場合安楽死も選択肢に入れておいて下さい。来年の桜を一緒に見られるかどうか…(言葉を振り絞って)見られたらいいですね。」
との事でした。私も歯科医師ですし、一医療人なので歯肉癌の怖さは十分分かっています。そして、抗がん剤治療や放射線治療がどんどん身体を弱らせて行くことも。癌細胞だけでなく、正常な細胞をも殺してしまうので当たり前です。しかも嗅覚という犬にとって大切な働きを担う鼻を取ってしまうことに抵抗がありました。
他に何か良い方法は無いものか?色々調べた結果「自然の森製薬」shizenno-mori.comさんという、犬の腫瘍専用フードを製造・販売している会社がありました。そのフードを購入した際に同封されていたパンフレットに「紅豆杉(こうとうすぎ)」という漢方の抗がん剤の記事に目が釘付けになりました。人間の抗ガン、抗炎症ケアの漢方薬として日本全国の医療機関・大学で研究され、がん細胞のみ攻撃するため副作用が無く、良い成績をあげているとのこと。この漢方を犬用に特別に販売しているというではありませんか!『直感的にこれしかない!』と思い、腫瘍専用フードに混ぜて与えることにしました。
漢方薬なのでもちろん即効性は有りませんし、時には漢方の味が嫌なせいか?食べない時もあり苦労しましたが、そうこうしているうちに余命だったはずの3カ月が過ぎ、半年過ぎたあたりから、異常に元気になり、がんの箇所の腫れが小さく、赤みが薄くなって来た気がしたのです。
そして8月になって、な、何と信じられないことに『癌がほぼ無くなっている』のです!!!
更には、体重も1キロ増えました。悪性腫瘍では有りえないですよね。特に食べ物が関わる口腔内の癌なのに。
写真を撮りましたので、是非ご覧下さい。赤く腫れあがった状態から、すっかり赤みも消え、腫れも引いてしまいました。漢方は効き目が出るまで最低半年はかかるものと分かっていましたから、諦めずに根気強く続けて本当に良かったです。今でも引き続き量を減らしながら与えています。
赤く腫れあがった状態(2017年12月)
赤みが消え、腫れも引いた状態(2018年8月)
コマはペットホテルの前で置き去りにされた保護犬で、私も孤独だった大変な時期に縁有って迎え入れた大切な愛犬です。3年前の2014年12月13日に迎え入れ、その日を誕生日にした同じ12月13日に口腔癌と宣告されたのは何と皮肉な事かと思いました。が、そんな子がここまで元気なった姿に私自身が勇気づけられました。今は紅豆杉をご紹介いただいた自然の森製薬さんに感謝の気持ちで一杯です。
ちなみに、コマが日に日に良くなって来たのを見て、自分の癌治療で抗がん剤を止めて、紅豆杉を飲み始めた医師である父も「信じられない」と言い、紅豆杉を飲む量を増やしました(笑)。そして抗がん剤治療をしている時よりはるかに元気な毎日を過ごしています。
この出来事を通じて確信したのは、【がんの早期発見】の大切さです。歯科医師である私はコマの歯を毎日磨いていました。彼は1年間保護施設に居たのですが、少なくともその間口腔ケアはロクにしてもらえず、歯はボロボロの状態でした。ある日上の前歯が急にグラグラし始めて歯肉が腫れ始めたのです。そこですぐにかかりつけの動物病院に行き抜歯と同時に組織検査をしたのです。ですから口内炎がいつまでも治らないとか些細なことでも早期に検査することが一命を取りとめることになるならば!との熱い気持ちから、当医院では「口腔がん検査」を導入することにしたのです。
また従来なら「口腔がん検査」は大学病院などの大きな医療施設でしか行っていませんでしたが、そうなると皆さんご存知の通り通院時間や距離などの問題で行くのが億劫になってしまうでしょうから、かかりつけの医院で手軽に出来ないものか?ということから当医院で導入することにしたのです。
* 紅豆杉に関するパンフレットは当医院でご用意がありますので、御関心がございましたらご一報下さい。
【追記】
先日、動物病院で秋の健康診断を受けました。採決結果で信じられない奇跡に遭遇しました!
普通ならガンしかもそれが悪性なら高い数値を示すはずの炎症反応が、な、なんと!標準値以下でした!
これには獣医さんもびっくりしてました。しかもがん発生時の体重が5.3㎏ なんと7.0㎏に増えてました。
悪性がんなら信じられないことですよね?