奥歯でしか噛めないかみ合わせを開咬(かいこう)= オープンバイトと言います。
開咬(かいこう)= オープンバイトは奥歯への負担だけでなく顎関節、呼吸、姿勢、発音など様々な問題が生じます。当然早期に治療すべきです。
ところが素人目からすると歯並びが極端に悪いわけでもなく、この咬み合わせのデメリットを知らない歯科医師も多いため矯正治療を勧められたことがない方が結構いらっしゃることに驚きます。
当医院で矯正治療を希望される方で最も多いのがこの開咬症例です。ほぼ皆さん他医院で「外科手術が必要」「小臼歯抜歯が必要」と診断されたと言って来ます。
確かに手術が必要な症例もあります。特に見た目(審美面)を重視する場合はその通りです。しかし機能面を重視される場合はきちんと分析すると手術は必要ない症例が沢山あります。
今回は他医院4か所で外科手術と抜歯が必要と診断されましたが、当医院でいずれもしないで治した症例を紹介します。
【主訴】将来奥歯へのリスクが不安。前歯で噛めるようになりたい。他医院4か所で外科手術と小臼歯抜歯が必要と診断されたがどちらもしないで治療したい。とのことで当医院を受診された20代の女性。
【治療方法】新素材ゴムメタルを使用したGEAW(ギア)システム用い、外科手術も小臼歯抜歯もしないで治療を行いました。
【治療期間】1年5ヶ月
【治療後】色々な医院を回ったがどこも外科手術が必要と言われ、本当に治ると思わなかったのでびっくりだし嬉しいとの言葉を頂きました。
【治療費用】診査・診断およびリテーナー(後戻り防止装置)も入れて:約120万円
【治療に伴うリスク】1日20時間以上顎間ゴムなどの患者さんの協力が必要です。 歯の移動に伴う痛みや口内炎などがあります。 矯正期間中は虫歯、歯周病のリスクが高くなります。歯の移動に伴う歯肉退縮や歯根吸収が起こる事があります。
また、この方の場合、開口(オープンバイト)特有の舌癖(舌を上下の前歯の隙間に無意識に入れてしまう癖)と奥歯の咬み合わせの面が摩耗していて安定した咬み合わせを保つことが難しいため、定期検診時にこれらをチェックしていかなければならず、場合によっては安定した咬み合わせ確立のため、舌トレーニングや奥歯にかぶせ物を入れる治療が必要かも知れません。
矯正治療前
矯正治療終了後
開咬(オープンバイト)でお悩みの方、他医院で難しいと言われた難症例の方、一度ご相談ください。