院長コラム

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2017.11.10更新

第3回

  

前回まで2回にわたってお話した、こういったかぶせ物を作り上げるのには、どうしてもその人それぞれの顎の動きを採得したデータや、上下顎の顎の骨格形態や顎関節のレントゲン写真、顎の周りの筋肉の状態の検査、そして現状に至るまでの既往歴等が必要になってくるのですglitter

  

歯科医はこれらのデータをもとに、全身的なバランスを崩さない調和の取れた噛み合わせの位置を仮の歯で調整していき、最終段階において機能的でしっかりとした素材のかぶせ物や義歯を歯科技工士に依頼して作ってもらいます。

 

ここで、最終的なかぶせ物や義歯を仕上げるにあたって、以上の歯科医師側の調整したデータを再現することができる腕の良い優秀な歯科技工士がどうしても必要になってくるのは当然といえるのが分かっていただけると思います。日本の中小企業の中には世界のトップメーカーの心臓部とも言えるパーツをそこでしか作れないというレベルで立派に作り上げている所がたくさんあります。同じように歯科技工の世界でもそれぞれの歯科技工所の技術レベルには天と地ほどの差があるのが残念ながら現状です。そうなると、歯科医側の細かいデータを形として再現しなければならない技工士の仕事もかなりシビアと言えましょう。こういったコンセプトのある一流の仕事内容に関しては、ゴールドやセラミックを使う使わないということは別に考えても健康保険で大量に作り上げられてくるかぶせ物や入れ歯とは全く比較にならないのは当然と言えるでしょう。

  

顎はダイナミック(特に無意識下)に動き、その動きの邪魔にならない上下の噛み合わせの形態は慎重に作らないと、取り返しのつかない『抜歯』という最悪のシナリオを提供してしまうことになりかねません。健康保険の大量生産方式で作られるかぶせ物や、自費治療で素材が良くてもその人にあったデータを元に慎重に作られていないかぶせ物が何故危険なのかお分かりいただけるでしょうかnico

 

 〈個人個人のデータをもとにして作られた機能的咬合面の例〉  

上顎   かぶせ物        下顎かぶせ物2

審美面も考慮し、上顎と下顎の臼歯もセラミックによる咬合面にしました。当然、機能面も十分に満たされています。機能と審美の両面から精密に作り上げることも大切です

 

投稿者: アクアデンタルクリニック