院長コラム

sp_btn01.png
メールでのお問い合わせ

2018.06.22更新

今までは八重歯(やえば)や叢生(そうせい)ガタガタを治療するためにはどこか歯を抜かなければなりませんでした。何故ならそれらの原因は「顎の骨が小さくて歯が並びきらない」と考えられてきたからです。

 

そのために噛み合わせにとって重要でなく、前歯の見た目を並べるのに簡単なので、その真後ろにある小臼歯(4番、5番)が便宜的に抜歯されてきました。

 

しかし、近年になり小臼歯を抜歯して矯正治療を行った後に、顎が痛くなったり、うまく噛めない、更には全身の不調和を訴える患者さんが増えてきたようになりました。私の臨床経験でも多いです。

 

逆に噛み合わせが安定している患者さんは小臼歯(4番)がしっかり噛んでいるということに気が付くようになりました。つまり、小臼歯は噛み合わせの安定に欠かせない歯であることが分かってきたのです。

 

見た目を綺麗にするために辛い思いをしてうけた矯正治療のせいで機能的な問題が生じてしまう…これでは本末転倒です!

 

何度も述べていますが『機能的なモノは美しい!』のです。見た目だけを改善した矯正治療ではいけないのです!

 

八重歯(やえば)や叢生(そうせい)ガタガタになる原因は「顎の骨が小さくて歯が並びきらない」だけでなく、下顎の位置関係、歯の傾きなど様々な要因が絡み合ったためであることが分かってきています。

ですから「親知らず(8番)を抜歯するだけ」で今までなら小臼歯(4番、5番)を抜歯しなければ出来なかった症例でも矯正治療が可能なのです!

 

人間の下顎は人類の進化の過程の中で、後ろに下がりやすくなっているということが分かってきました。ためしにご自身の下顎を後ろに下げて噛んでみて下さい。非常に不快な感じがすると思います。実際に人間の下顎を後ろに下がるようにな噛み合わせの実験で脳がストレスを感じるというデータが出ています。また顎関節症や頭痛などの様々な不定愁訴は下顎が後ろに下がることで起こるとも言われています。

 

人類進化

 

当医院では「小臼歯は人間が生きていくために欠かせない歯」という認識を持って小臼歯を抜歯せずに小臼歯の大切な機能を失うことの無いように矯正治療のみならず噛み合わせ治療に取り組んでいます。

 

【実際に小臼歯がしっかり噛んでいる写真】

小臼歯

 

 

投稿者: アクアデンタルクリニック